通信機器市場にも狙いを定めたFacebook
Thomson Reuters
Facebookは5000億ドル(約50兆円)規模の通信機器市場に本格的に進出する。2016年11月1日火曜日(現地時間)に、その計画の一部が明らかとなった。無線ネットワークの構築に加え、新たなネットワーク製品の開発も行う。
「Voyager」と名づけられた光スイッチは、光ネットワーク向けの初めてのホワイトボックス伝送装置だ。
「Voyager」に加えて、同社は「OpenCellular」と呼ばれる、人里離れた場所にも配備できる新しいワイヤレスアクセスプラットフォームの開発も明らかにしている。
インフラとエンジニア部門のトップであるジェイ・パリック(Jay Parikh)氏はブログに以下のように書いている。
「Facebookのミッションは世界をよりオープンで、つながったものにすること。動画やVRが盛り上がっている今、より大きく、より強力なネットワーク網が必要とされている」
Facebookのこれらの動きは、同社が2016年2月に発表した「テレコム・インフラ・プロジェクト(TIP)」(通信機器の設計図や仕様を「オープンソース」方式で開発する業界横断のプロジェクト)の一環である。TIPに先行して立ち上げたデータセンター周りの開発プロジェクト「オープン・コンピュート・プロジェクト(OCP)」と同じようなフレームのプロジェクトといえる。
Facebookは、強力なパートナー企業からの支援を得ている。たとえば、世界的なデータセンター企業であるEquinixはFacebookおよびTIPと協力し、2カ所の巨大なデータセンターにおいてFacebookの「Voyager」をテスト運用している。TIPへの参加や「Voyager」の試用を検討する他の企業にとって、Equinixは大きな先例になるだろう。
さらにFacebookは、韓国のソウルにおいて、SK Telecomと合同で、通信機器市場向けのインキュベーションセンターを立ち上げた。「このような取り組みは初めてだが、これで終わるつもりはない」とFacebookはコメントしている。
同社は火曜日(11月1日)、TIPメンバー向けに初のカンファレンスを開催した。Bell Canada、du、NBN、Telia、Telstra、アクセンチュア、Canonical、ヒューレット・パッカード・エンタープライズなど、多くの新しい企業がこのカンファレンスに参加した。
Facebookによれば、300以上の企業がすでにTIPに加わっている。
[原文:Now Facebook plans to eat the $500 billion telecom equipment market]
(翻訳:一柳優心)