ミレニアル世代は経済活動に悪影響を及ぼしていると言われる。
「定職に就かず、家や車を買わず、結婚せずに、子供もいないので、経済に貢献していないじゃないか」と。さらには「無駄遣いばかりして、借金を抱え、つまり、怠け者で甘やかされている」とも。果たして、これらの評価は本当に正しいのだろうか?
みずほ証券が発表した(85ページの)レポートは、ミレニアル世代に対する新しい視点を与えてくれる。そして、もっと言えば、ミレニアル世代に対するいくつかの考えは明らかに間違っているということがわかる。
18歳~34歳を対象(有効回答数は1500人以上)に行われた調査結果を見てみよう。
1. 買い物は実店舗がもっとも多い
ミレニアル世代はテクノロジーに詳しく、オンラインショッピングをよく利用している。それは事実だ。しかし、お店やショッピングモールで買い物をしないわけではない。
彼らは商品を購入する前に実物をチェックすることを好み、いまだにお店での買い物を重視している。事実、レポートによると、彼らは買い物のうち54%を実店舗で行っている。
2. 全国平均より貯金が多い
ミレニアル世代は世間が思い描くように、給料が入るごとに借金を払い続けなければいけない「借金まみれ」ではなく、実は74%もの人がしっかりと毎月の貯金をしていることがわかった。
彼らは収入の6.7%を貯金していて、それは、セントルイス連邦準備銀行が発表するアメリカの全国平均よりも高い。
3. 実は家を買うつもりの人が多い
一般的には、婚期や出産が遅いため、家を買うのも遅いと言われるミレニアル世代だが、だからといって一生持ち家を購入しないわけではない。貯金の目的を尋ねると(1)マイホーム、(2)新車(3)、老後への投資の順で多かった。
Mizuho Securities USA
4. 必ずしもUberやLyftに頼らず、自分の車も持っている
マイホームの購入が遅れているのと同じ理由でマイカーの購入も他の世代と比較して遅い。しかし、レポートによるとマイカーの購入率自体は増加傾向にあり、これからも伸び続けていく見込みだ。
現在、マイカーを所有していない約64%のミレニアル世代が2年以内をめどに車の購入を考えているという。UberやLyftがあれば、マイカーの所有は必要ない、と答えたのは5%だけだった。
[原文:Everything you thought you knew about millennials is wrong]
(翻訳:堀口)