GoogleのCEOが語らない“Googleの弱点”とは?

GoogleのCEOサンダー・ピチャイ氏

GoogleのCEOサンダー・ピチャイ氏

Ramin Talaie/GettyImages

Googleに1つ弱点があるとすれば、それは音声コントロールだ。

1月26日木曜日(現地時間)に開かれたGoogleの四半期決算報告会で、音声コントロールの普及がGoogleのオンライン広告の脅威になるのではないかと、ウォール街のアナリストが鋭く切り込んだ。

Google CEOサンダー・ピチャイ氏は、この先数年の潮流はGoogleにとって「快適だ」と語り、質問を軽くあしらった。

しかし、音声コントロールが一般化した世界で、Googleが広告ビジネスをどう発展させていくのかという具体的な戦略を示すことはなかった。

ピチャイ氏は、人々が思うほどの脅威ではないとかわした。確かに、音声アシスタント機能付きスピーカーのAmazon EchoやGoogle Homeのような機器には、Googleの収益の大部分を占めるオンライン広告が映し出される画面はない。だが、世の中から画面がすべて消え去るなんて誰が信じる?

音声コントロールは「1つの機能」に過ぎず、「ユーザーは様々なやり方でコンピュータを利用する」とピチャイ氏は述べ、しかも、まだ「始まったばかりの段階」だと付け加えた。そして、自然語検索や音声認識の分野で長年培われたGoogleの経験は市場での競争において有効な武器になると強調した。

Google Home

Google Home

Hollis Johnson/Business Insider

しかし、音声コントロールがGoogleの弱点であることは事実だ。

現在、音声コントロール関連で幅を利かせているのはAmazonだ。Amazon Echoをはじめとし、クラウドベースの音声認識機能Alexaを搭載した新製品を次々と投入している。Amazonは広告収入に頼る必要がなく、むしろ、AmazonでのショッピングやAmazon Primeのようなサービスへの登録をAlexaを使って伸ばすことができる。

GoogleはEchoの対抗馬であるGoogle Homeを売り続けるだろう。だが、もし音声コントロールが主流になり、画面がなくなる日が来たら、こうしたハードウェアの販売は広告収入激減の穴を埋めるものでは到底ない。

Googleは新しいタイプの広告を開発するか、ビジネスモデルを変える必要がある。

Googleに何かプランがあるとしても、それは今のところ隠されたまま。彼らは投資家があまり心配し過ぎないことを祈っているようだ。

「わたしたちは長期的な観点で考えている」とピチャイ氏。「音声検索については、わたしは困難ではなく好機だとみている」

[原文:Google's CEO didn't have an answer for a potentially huge weakness in its business (GOOG, GOOGL)

(翻訳:十河亜矢子)

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