イーロン・マスク氏
Asa Mathat | D: All Things Digital
起業家のイーロン・マスク氏は、トランプ大統領に接近したチャンスを逃さず、炭素税導入を勧めているようだ。
23日月曜日にホワイトハウスで行われた会議で、テスラとSpaceXのCEOであるマスク氏は、政権に対し、炭素税を導入すべきだと進言したと官邸の関係者がBloombergに語った。しかし、提案は出席者からの賛同をほとんど得られなかったと伝えている。
マスク氏のほか、フォードCEOマーク・フィールズ氏を筆頭に、ロッキードマーティンやワールプール、アンダーアーマー、ジョンソンエンドジョンソンなどの役員らがこの日のミーティングに出席した。
テスラからコメントは得られなかった。
意外にもマスク氏はエクソンモービルの元CEOレックス・ティラーソン(Rex Tillerson)氏が国務長官に指名されたことを肯定的に評価し、同氏は炭素税導入を支援する "有能な経営者"として優れた選択肢かもしれないと述べた。
マスク氏とティラーソン氏はともに、他の税金を減らし、公平な競争条件のもとで企業が二酸化炭素の排出量を削減できるエネルギー源を使用するよう促す炭素税の導入を主張している。
ティラーソン氏は2009年の演説で、炭素税は「すべての経済的決定において二酸化炭素削減のためのコストに配慮したもっとも効率的な手段」であると述べた。
過去に地球温暖化否定論者であったティラーソン氏は、二酸化炭素の排出量が増えている事実は認めている。しかしVox.comが伝える通り、ティラーソン氏は気候変動より「急を要する優先事項」が多くあると述べており、2012年と2013年には、人類は地球温暖化によって引き起こされるどんな気候変動にも適応できるとコメントしていた。
マスク氏は、2015年にパリで行われたCOP21など、長年、炭素税の必要性を訴えている。
[原文:Elon Musk reportedly pushed for a carbon tax at White House meeting with Trump]
(翻訳:小池祐里佳)