マイクロソフト Surface Book
Melia Robinson/Business Insider
Windows PCがAppleのハイエンド市場を徐々に切り崩している。マイクロソフトのCFOエイミー・フッド(Amy Hood)氏は木曜の決算報告でそう述べた。
総合的に見れば、PCメーカー向けのWindowsライセンスビジネスは、法人向け、個人向けの両方で前年の四半期より5%上昇したとフッド氏は報告した。
細かく分析すると、個人向け市場でWindowsライセンスビジネスは前の四半期より5%上昇し、PC業界の全体的な縮小傾向とは一線を画した。「わたしたちのパートナーのエコシステムは成長を続け、Windowsのプレムアムデバイスの分野における利益をシェアしている」とフッド氏は述べた。
マイクロソフトは「プレミアムデバイス」を900ドル(約10万円)強の価格帯と定義している。この領域は長い間、Appleが得意な市場で、iMacやMacbookシリーズなどの製品に高価な価格を設定していた。
その一方で、マイクロソフトのパートナー企業はここ数年、低・中価格帯のPCに特化し、Appleが狙う高利益率ではなく、販売台数を狙おうとしてきた。そしてAppleは上級者向けのメーカーとして地位を固めてきた。
しかしマイクロソフトは2015年秋、「Surface Book」を発売し、低・中価格帯のPCに特化する時期は終わったと明言した。そして、Appleの代表的製品であるMacBook Proに代わる、より強力で万能なノートPCとしてSurface Bookを売り込んだ。マイクロソフトによれば、PCメーカーに対して、市場にはまだハイエンドなWindows PC が参入する余地があることを証明するのが目的だった。
Microsoft CFO エイミー・フッド氏
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同時に、Surface Pro 4のようなタブレット / ノートパソコンの2in1型製品の成長や、FacebookのOculus RiftのようなVRヘッドセットのゆるやかな盛り上がり ― 快適に動作させるには強力なハイパワーなPCが必要 ― がハイエンドWindows PCの需要をかき立てている。またDell、Asus、Lenovo、HPもそういったPCをどんどん作り始めている。
より最近だと、マイクロソフトは、まさにAppleのiMacと競合するユニークな Surface Studio PC を発表した。Surface Studioは2999ドル(約34万円)からと安くはないが、同社のかなり楽観的だった予測を超えて売れているようだ。
マイクロソフトが以前言っていたように、前回のホリデーシーズンに新型のMacBook Proに失望した人が、Surfaceの購入へと動いたことと考え合わせると、マイクロソフトのAppleへの「攻撃」は順調のようだ。
〔原文:Microsoft says its attack on Apple's Mac business is working (MSFT, AAPL)〕
(翻訳:一柳優心)