Facebook COOのシェリル・サンドバーグ氏(左)
Getty/ Drew Angerer
Facebook COOのシェリル・サンドバーグ(Sheryl Sandberg)氏は、27日木曜日、トランプ大統領の中絶に反対する大統領命令を批判した。
サンドバーグ氏は自身のFacebookページで、インドで働いていた時に目にした現地の医療問題についてや、米国から資金援助を受ける世界中の団体に対して、中絶を禁止する「グローバル・ギャグ・ルール」(口封じの世界ルール)を再導入するトランプ大統領の動きが世界中の女性を傷つけると語った。
「考える必要もない。これが一体何を意味するのかもわかっている」とサンドバーグ氏は述べる。
「グローバル・ギャグ・ルールが以前実施されたとき、避妊を受けられない女性の望まない妊娠や中絶率が2倍になったという調査結果が多く見られた。中絶を防ぐ一番の方法は家族計画サービスを徹底することで、規制をかけることではない」
ギャグ・ルールの再導入は驚くことではない —— 過去、複数の大統領たちがこのルールを使って自身の中絶に対する立場を表してきた —— しかし、以前のものよりも厳しいものになっているとサンドバーグ氏は語る。
「世界中の医療機関が家族計画のカウンセリングを行うことを禁止している」 「禁止措置を拒否すれば、アメリカから数百万ドル(数億円)の資金援助を受けられなくなる可能性がある。この禁止措置は、過去の大統領命令よりも厳しく、範囲が広い。より多くの人を傷つけることになる」
サンドバーグ氏は、2013年にベストセラーの『LEAN IN 女性、仕事、リーダーへの意欲(原題:Lean In)』を出版し、同名の非営利団体を設立して以来、フェミニストのリーダーになっている。
昨年6月にヒラリー・クリントン氏を大統領候補として支持していたにもかかわらず、選挙中、サンドバーグ氏は沈黙を保った。女性問題はしばしば大きく扱われた。同氏は、50万人以上もの人々がナショナルモールに押しかけた、21日土曜日のデモにも参加せず、言及もしなかった。また、トランプ大統領の女性への多くの差別的な発言などについて批判も行っていない。
サンドバーグ氏は、昨年12月、他のIT企業の大物たちとともにトランプタワーで行われた会議に出席した。この会議は、Appleやアマゾンのような企業を公然と批判し、業界と微妙な関係になっていた大統領とIT業界の大物たちとの最初の会議だった。 [原文:After months of silence, Sheryl Sandberg took a stand against Trump]
(翻訳:梅本了平)