ChatGPT
FacebookのCEO、マーク・ザッカーバーグ氏
投資家はFacebookに対して大きな疑問を1つ抱いている。それは、次の戦略は何か、ということだ。
ここ数年、Facebookはモバイル広告のブームに乗っており、水曜日（11月2日）の第3四半期報告で収益は順調に54%増加する見通しだと発表した。
しかし、Facebookの幹部たちは、この急激な収益の成長率は、ニュースフィードに表示できる広告の数が限界に達したため、来年は減少すると警告している。
水曜日、幹部が第3四半期の結果をアナリストと議論する際、多くの質問がライブビデオ、Instagram、Messenger、WhatsApp、OculusのVRヘッドセットなど、同社が持つ潜在的な収益源に集中すると思われる。
動画広告やインスタグラム等のいくつかはすでに収益に大きく貢献しており、投資家はその成長を全速力で加速させることを求めている。一方でOculusは、明確な収益の見通しがないまま、投資資金を吸い続けている。
Facebookの株価は過去3カ月で約5%ずつ伸びてきている。ナスダックやダウの平均を上回っており、ウォールストリートからの世界最大のSNSへの信頼を反映している。
しかし、2017年の半ばに、いわゆる広告表示数の限界に近づくため、新たな収入源を求める声は大きくなっている。
動画広告
ライブビデオの広告を展開するFacebook
Facebookは、同社のライブビデオ戦略と、最近のmid-roll広告の取り組みについて発表すると見られている。
オーストラリア最大の投資銀行Macquarieのベン・シャクター（Ben Shachter）氏など一部のアナリストは、Facebookはスタンドアローンの動画アプリの開発をすることで動画広告の収益をさらに上げることができると考えている。この動きは、GoogleのYouTubeとの対立を高めるだろう。
FacebookはInstagramのマネタイズ戦略も強化しており、調査会社のeMarketerは2016年末までに18億6000万ドル（約1860億円）の広告収入をもたらすと予測している。
さらに最近、FacebookはInstagramの少数のユーザーを対象に、アプリ内で買い物ができるサービスを提供したが、現在はまだ本格的に展開していない。｢ Facebookは、自社の商品やサービスの構築をまだ全速力で進めている｣とeMarketerのアナリストのデブラ・アフ・ウィリアムソン（Debra Aho Williamson）氏は言う。
｢ Facebookの主要なサービスは成長を続けている。そして他のサービス、Instagram、WhatsApp、Messengerも順調に伸びてきている。Oculusには、まだ課題があるが、しかしVRが普及するにはまだまだ時間がかかる｣
大きな賭けとさらなる忍耐
WhatsAppの共同創設者ジャン・コウム氏
David Ramos / Getty Images
Facebookの他の大きな試みは、まだ収益を生み出すにはほど遠い。
Facebookが2014年に220億ドル（約2兆2000億円）で買収したWhatsAppは、最近のアップデートで初めてWhatsAppとFacebookのプライバシーポリシーを連携させたことで、収益化の可能性が現れ始めている。法人向けの計画では、メッセージアプリの10億人のユーザーと直接コミュニケーションができるよう計画されているが、法人向けにはMessengerのような機能はまだ実現していない。
2014年に20億ドル（約2000億円）で買収したOculusは、まだ有意義な成果をあげられていないが、VRのハードウェアの価格が安くなり、熱狂的なゲームファンだけでなく一般の人も満足させるようなコンテンツが作られれば、十分な収益が期待できると専門家は期待している。
｢ハイエンドなVRの普及にはまだ時間がかかる。価格やコンテンツなどまだ多くの障壁がある。ハイエンドなVRの普及には、それらの障壁が取り払われなければならない｣とNiko Partnersのアナリストのダニエル・アーメッド（Daniel Ahmad）氏はBusiness Insiderに語った。
ウォールストリートが期待するFacebookの第3四半期（前年同期比）
- 1株あたり利益：0.97ドル（約97円）：前年同期0.57ドル（約57円）から増加へ。
- 利益：69億2000ドル（約6920億円）：前年同期45億ドル（約4500億円）から54%増加。
［原文：Facebook’s mobile ad boom ride is almost done, and Wall Street wants to see its next trick］
（翻訳：梅本了平）
