「謝罪すべきことなどない」 入国禁止の大統領令を政権スタッフが擁護

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29日(現地時間)、トランプ政権の高官らはイスラム圏7か国からの入国を一時的に禁止するとした大統領令を擁護し、国内で拡大する抗議活動を倍増させた

朝のニュース番組に出演した政権高官らは、大統領令に対する批判の勢いを削ごうとした。今回発令された大統領令は入国管理システムに混乱をもたらし、7か国からの旅行者を立ち往生させ、多数の空港で抗議デモを引き起こしている。ブルックリンの連邦地裁判事は28日夜、大統領令の影響によって強制送還される旅行者が出ることのないよう、大統領令の効力の部分的停止を命じた。

ショーン・スパイサー報道官は、今回の大統領令とオバマ政権時代とを結び付けて、前政権時代からイラン、イラク、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメンの7カ国に対しては、他国に比べより厳しい旅行者規制があったとした。

「我々は我々の国とその国民を守ろうとしている」と報道官はABCのニュース番組で語った。

「イスラム教徒が国民の過半数を占める国は46あり、その中に今回の7カ国は含まれていない。この7カ国はオバマ政権によって、より厳しい旅行者規制が設けられるべきと判断された国々だ」

オバマ政権を引き合いに出す高官の発言は続く。

Fox Newsに出演した大統領顧問のケリーアン・コンウェイ氏は、7カ国からのごく少数の旅行者グループの強制送還を阻止したブルックリンの判事を「オバマ前大統領の指名した判事」と呼んだ。

コンウェイ氏は入国禁止令が特に差別的であるとは思わないと述べ、この大統領令によって家族が永遠に離れ離れになるわけでもないと発言した。

「空港で止められた経験は、わたしにも何度もある。あなたにもあるはず。テロリストと名前が似ているわけでも、同じわけでもないし、テロの陰謀に関わったことがあるわけでもないのに。これはこの国の安全のため。この人たちが家族から離れ離れになるのはほんの一時的なこと」

コンウェイ氏以外の高官らは大統領令の詳細を説明することで、この大統領令は憲法違反だという批判に対する反論を試みた。

ラインス・プリーバス首席補佐官は、いわゆるグリーンカードを持つ合法的定住者に対して入国を拒否するものではなく、グリーンカードを持つ対象の7カ国出身者に関して、入国管理局の職員や国境監視員それぞれの判断で確認を行い、必要なら拘留するとした。

また、過去にアメリカに対して深刻なテロの脅威を持ち込んできた国々、パキスタン、サウジアラビア、エジプト、アラブ首長国連邦などがこの規制に含まれていないのはなぜかと問われ、「おそらくそれらの国々も含まれるべきだろう」と回答した。

「一部の対象者はより長い期間、拘留しておく必要があるかもしれない。彼らがこの国にいてはいけない人物たちなら、拘留される」と首席補佐官はNBCに語った。「つまり、謝罪すべきことなど存在しない」

コンウェイ氏もプリーバス氏もスパイサー氏も、こぞって27日の大統領令は選挙キャンペーン中にトランプ氏が主張してきた「イスラム系移民をすべて閉め出す」との公約とは別物だと説明しようと試みたのだが、前ニューヨーク市長のルディ・ジュリアーニ(Rudy Giuliani )氏は、この大統領令がトランプ氏の宗教観に基づく考えから派生、生まれたことを明かしてしまった。

「最初に大統領がこの大統領令の発表をした時は『イスラム教徒禁止令』と呼んでいた」と28日、ジュリアーニ氏はFox Newsに語った。「大統領から電話で、一緒に法案を作ってほしいと言われた。どうすれば違法にならないか、その方法を教えてほしい、と」

「我々は宗教ではなく危機に重点をおいた」とジュリアーニ氏。「これらの国々は世界の中でも我々の安全性を脅かしている。そういう言い方をすれば事実に基づいた意見であって、宗教に根差した動機にはならない。完全に合法で、賢明で実用的。それが禁止令の根幹だ」

トランプ大統領は当初、大統領令に対する批判や拡大する抗議運動、空港で起こる混乱に対し、よくわからない態度を取っていた。

「大統領令はしっかり機能している。空港を見ればわかる。至るところで見られる」と、トランプ大統領は28日に別の大統領令に署名しながら記者団に述べた。

その後、29日にはこうツイートした。

「我々の国には、強い国境と厳しい身元調査が今こそ必要だ。先週ヨーロッパで、そして世界中で起きたことを見てみるといい。ひどい混沌だ!」

日曜日の朝に放送される一連のニュース番組は長い間、トップ政治家による政治談議の場として機能してきた。しかし、先週に引き続き、複数の政権高官が3大テレビ局を渡り歩き、現政権への批判を抑え込むべく口を開く流れとなった。

コンウェイ氏とプリーバス氏は、先週も複数の番組に出演し、就任式の観衆者の数の大小をめぐり、トランプ大統領の根拠のない主張を擁護していた。

[原題:'Apologies for nothing here': White House officials dismiss protests, defend immigration order

(翻訳:日山加奈子)

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