ナイキがいつの間にか“ラグジュアリー・ブランド”に!

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Nikeの靴

Getty/Pablo Cuadra

最近、ナイキ(Nike)のシューズや服を買ったり、新しい店に足を運んだ人はもう気付いているだろうが、ナイキはこのところ、高級志向にシフトしている。

Forbes(フォーブス)誌のランキングによると、2016年、ナイキは世界で最も高級なアパレル・ブランドとしてルイ・ヴィトンを超えた

「消費者が価格の高い商品を買わなくなったわけではない」と、Business Insiderのリテール・アナリストCooper Smith(クーパー・スミス)は昨年5月、Complex語っている。「ライフスタイルとファッションの嗜好が変化しているだけだ」

つまり、消費者は彼らの好きなものに対して大金を支払うことをいとわないのだ。

ナイキはこの志向を価格にうまく反映させている。同社のシューズは、比較的低価格なAir Monarch(55ドル・約6200円)から、自動で靴ひもを結んでくれるHyperAdapt 1.0(720ドル、約8万1000円)まで、様々なモデルがある。

ただ、ナイキの広告やイノベーションにかける努力の焦点は、まれに例外があるにせよ、必ずといっていいほど高級価格帯へと向けられている。例えばAir Monarchはナイキで最も売れているシューズの1つで、販売トップ商品のリストによく挙がるが、ナイキ自身がそれを消費者に伝えることはない。ナイキによる販売促進の取り組みは、より高価な商品、もしくは最新かつ最高の発明品に集中しているのだ。

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Nike gymでのトレーニング

Hollis Johnson

同じことは、最新のAir Jordanや最先端技術を用いたトレーニングシューズ、さらには(これに限らないが)100ドル(約1万1000円)のスウェットパンツなど、高価なアパレルにも言える。100ドルのスウェットを売るブランド企業が他にあるだろうか? 高級なラルフローレンのクラブ・モナコ(Club Monaco)くらいなものだ。

ごく最近、ナイキは顧客に来店してもらうため、従来とは違ったアプローチを採用した。ニューヨークのソーホー近くにある最新ストアでは、顧客がナイキのスタッフと最大1時間、個別に対応してもらえる「予約」ができる。客はシューズのフィッティングや自身のスキルレベルに合わせた装備など、何でも気になることをスタッフに相談できるのだ。

Appleのジーニアス・バー(Genius Bar)のようだと思われたかもしれないが、わたしたちもそこから着想を得たのではないかと密かに考えている。

この最新ストアには、客が「実際に使用している感覚」でシューズや装備を試せるエリアもある。これはナイキによる店舗の捉え方の変化を反映したものであり、同社による未来の店舗への指針だと考えられている 。

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限定商品Nike Mag

Reuters/Danny Moloshok

ナイキで最も高価な商品としては、これまでのところHyperAdapt 1.0 スニーカーが群を抜いている。このスニーカーは、足を入れると自動で靴ひもを調整してくれるという点で特別なものだ。また、ナイキの特徴的なオレンジ色のボックスに梱包されていないという点でも特別である。代わりにスニーカーを横に並べるスペースがあり、充電パックとHyperAdaptの所有者専用の電話番号が書かれた小さなカードを含む、特別なプレミアム感たっぷりのボックスに入っている。

HyperAdaptの所有者は、必要があればいつでもその番号に連絡して、リアルなスタッフにすぐに何でも聞くことができる。

価格設定を高くすることがサービスの向上を意味するとナイキが考えているのは明らかで、同社はその方向へ全力で向かっている。顧客に直接対応する部門を重視しているため、ナイキは顧客とどうやり取りをするかだけでなく、顧客が商品をどのように評価をしているかについても細心の注意を払っている。

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Nike HyperAdaptのパッケージ

Nike

[原文:Nike turned into a luxury brand when no one was looking

(翻訳:Conyac

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