Netflix CEO Reed Hastings
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映像配信事業大手「Netflix」は、加入者の増加を図るには、オリジナルのドラマや映画に資本を投入することが重要だとする。だがこれまで、オリジナルの新番組と新規加入者の関係はあまり明確ではなかった。
先日開かれた四半期決算報告会で、アナリストはNetflixの経営陣に対して、より詳しい説明を求めた。
「タイトルごとの実数を見ているのか? それとも、視聴料や番組の本数をベースにした全体的な数で考えているのか?」
質問に対し、NetflixのCEO リード・ヘイスティングス(Reed Hastings)氏は答えた。
「累積的な効果と考えて欲しい。1つの作品のためにNetflixに加入する人はいないだろう。だが、きっかけとなる。新しい作品が見られることはワクワクするし、いろいろな評判を耳にするなど、そういうことが重なって、ようやくNetflixに加入しようという気になる。ネットで動画を見るという考え方が広まり、抵抗がなくなってくると、人々の欲求は高まる。CMに邪魔されず、好きな時間に好きな場所で視聴できることは大きなメリットだ。そして、いくつかの特別な番組の登場を大々的に発表することでそのような人々の心をがっちりつかめる」
どうやら、Netflixは加入者を増やす方法をヘミングウェイの小説に登場する有名な言葉になぞらえて考えているようだ。「方法は2つある。少しずつやるか、いきなりやるか」
Netflix CFOのデビッド・ウェルズ氏は、「新作シリーズは視聴者の意識によほど強いパンチを与えるものでなければ、既存のシリーズには敵わない」として、既存の作品の方がまったくの新作よりも新規加入者を獲得していることを付け加えた。
この四半期におけるNetflixの加入者数は、米国と海外の双方で大躍進をみせ、ウォール街の予測と自社の目標計画をはるかに超える好成績をおさめた。
(翻訳:十河亜矢子)