「トイレ革命」に24兆円投資する中国 —— その狙いとは

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中国の経済特区、深センの高層ビル群を背景にしたポータブルトイレ。

Siu Chiu/Reuters

中国は汚染度の高さが原因で減少した観光客数への対策をすでに行っているが、政府はもっと違った清潔さを重要視している。

中国国家観光局によると、公衆トイレが清潔かどうかで、今後数年間の観光客数に大きな影響を及ぼすという。

昨年12月に同局は、工場や炭鉱で一度は栄えたものの、その後経済が衰退した地域の約10万箇所の公衆トイレの改善に、今後4年間で2900億ドル(約32兆円)を投資すると発表した。

各地域は利益を生み出せる観光地になる可能性があると同局は考える。中国は、いわゆる「トイレ革命」で、中国の経済成長率を2015年の10.8%から2020年までに12%に拡大したいのだ。

リンダ・プーン(Linda Poon)氏がCity Labで指摘するように、公衆トイレは観光客が必要とするように、地元の人々にとっても重要だ。

中国の地方生活の最大の特徴の1つと言えるのが、ボットン便所だ。コンクリート状の板に穴があり、廃棄物からの重大な公衆衛生上のリスクの発生を防ぐために、トイレを手で空にしなければならない。ボットン便所を使う人たちは、中国の地下井戸に広がっている汚水にさらされており、命を脅かすような感染症につながることもある。

イースト・アングリア大学の衛生学専門家、ダボ・グアン(Dabo Guan)氏は「中国では、水がいかに最大の環境問題なのかを示しています」とNew York Timesに語った。

同局の目標は、地方を輝かしい北京のようにすることだ。高級エリアにならなくても、単純に最低限の清潔さが求められている。中国の首都のトイレには、Wi-Fiやテレビが備わっているが、特定の郊外では、まだ基本的な配管設備すら整っていない。

政府はまた、この投資で中国の観光客数が2015年の40億人から2020年には64億人に増えることを期待している。これは、トイレの改善と炭鉱で栄えたけれども空洞化してしまった都市を公共公園に変えるプロジェクトの組み合わせによって、実現可能だと考えている。

中国のトイレ革命の歴史を考えれば、今後はもっと期待できるかもしれない。1960年まで遡ると、これはいくつかの取り組みの1つにしかすぎない。50年かけて基本的な衛生設備を提供してきたが、10億人以上へ提供するのにはまだ時間がかかる。

[原文:China is investing $290 billion to kickstart a 'toilet revolution’

(翻訳:梅本了平)

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