入国禁止令に続き、就労ビザ問題でIT業界はトランプ大統領と対決する見通し

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ビル・ゲイツ氏

JP Yim/GettyImages

イスラム圏7カ国からの入国を禁止する大統領令に、IT業界は公然と反対している。 しかし、もしトランプ大統領が、外国人労働者の雇用方法を変える大統領令を出せば、IT業界との戦いはより大きくなる。

トランプ政権は、多くのIT企業が採用している就労ビザを変更する大統領令を起草したとブルームバーグは伝えた。

草案のコピーを見たブルームバーグの記者によると、企業はまず米国人を雇うことを優先しなければならない。そして、外国人労働者を雇用する場合は、報酬の高い人から優先的に採用しなけれならなくなる。

草案はH-1B、L-1、E-2、B1など、非移民向けのすべての就労ビザ(一時的に米国で就労するためのビザ)を対象としている。だが、特に専門職を対象としたH-1Bビザの変更は、IT業界に大打撃を与える可能性がある。

H-1Bビザを使えば、企業は専門スキルを持つ人材を国内で見つけられない場合に、海外から募集することができる。H-1Bビザには年間6万5000人という制限がある。さらに高学歴者向けには別の2万人の枠がある。IT業界は、すでに数年にわたり、ビザの発行数の増加を議会に求めている。米国国内だけでは必要なスキルを持った人材が不足しているからだ。ビル・ゲイツ氏は2008年、この件に関して議会で有名な証言をしている

ほぼすべてのIT企業が、こうしたビザを使って、世界中から人材を雇用し、米国に連れてきている。H-1Bビザの発行状況を調べるMyVisaJobsによれば、 IBM、マイクロソフト、Google、Intel、Amazon、Apple、Oracleなどは、H1-Bビザを使用している上位企業であり、年間1000人以上の外国人を雇用している。

しかし、一部の企業は、ビザを正しく使っていないと批判されている。国内で人材を見つけられないからではなく、米国人よりも安い給与で外国人を雇用するためにビザを使っているというわけだ。

使用していないことで避難されている。国内で人材を見つけることができないため、代わりに外国人労働者を雇用し、彼らにはアメリカ人に払わなければならない金額より低い給与を支払っているからだ。H-1Bビザをもっとも利用しているのは、インドのアウトソーシング企業であるインフォシス、タタ、ウィプロだ。MyVisaJobsによると、タタやウィプロのビザ利用者の平均給与は年間7万ドル(約780万円)以下。これに対しAmazonでは11万3000ドル(約1270万円)を超えている。

また、ビザの利用者が会社に利用されているという批判もある。万一、彼らが仕事を失った場合、次の仕事がすぐに見つからなければ、強制送還の恐れがあるからだ。

インドのITの業界団体は、ブルームバーグに対し、インドのIT企業がビザを不正に使用している事実はないと述べている。

IT業界が、長い間、海外からの人材採用を容易にするために、政府にビザのシステムを改善するよう要求してきたとしても、トランプ大統領はそのプロセスをより困難にする大統領令にサインするだろう。IT業界の要求は、ほぼ確実に通らない。

[原文:President Trump may challenge the tech industry on the hot-button issue of H-1B visas

(翻訳:蓮)

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