ロイター
野村ホールディングスが31日発表した2016年10-12月期連結決算(米国会計基準)は、当期利益が前年同期比およそ倍増の703億円となった。営業(リテール)部門は前年比で振るわなかったが、金利・為替関連のトレーディング収益の好調がホールセール部門を大きく伸ばし、グループ全体の伸びをけん引した。
リテールの税引き前利益は、前年同期比7%減の259億円。米大統領選後の株式相場の回復を受け、投資家が値上がりした株や投信などを利益確定で売却し、再投資に回っていないという。
10-12月期に野村のリテールからの純流出の規模は、約3380億円となり、4四半期ぶりの規模の流出となった。7-9月期は3190億円の純流入だった。
北村巧・財務統括責任者(CFO)はこの日の会見で、足元の投資家の動きについても、「依然として個人の動きは本格的になっておらず、スロー(遅い)」と語った。
<ホールセールが半分以上を稼ぐ>
一方、ホールセール部門は、米州のほか、新興市場の好調でアジアが好調で、税引き前利益は同4.8倍の474億円。これまでのコスト削減も功を奏し、リテール、アセットマネジメント、ホールセールの主要3部門の税引き前利益の、半分以上をホールセールが稼いだ格好。
グループ全体の4─12月期(9カ月)の連結当期利益は、前年同期比18%増の1783億円。
今期中に500億円の税引き前利益を計上する目標の海外部門では、9カ月間ですでに700億円以上の税引き前利益を計上している。