貿易制限で打撃を受けるのは、実はトランプ大統領を選んだ州だった!

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Getty Images

トランプ大統領は就任以来、自由貿易に対して強硬姿勢をみせている。トランプ氏はTPP(環太平洋パートナーシップ協定)からの離脱に関する大統領令に署名し、ホワイトハウスの報道官ショーン・スパイサー氏はメキシコからの輸入関税20%案に言及した。

トランプ大統領の主張は常に、企業が賃金の低い外国に労働力を求めたり、海外の安価な製品を輸入することにつながる貿易協定は、米国の労働者に害をなすというものだ。

しかしながら、高い関税を課せられた国々がアメリカからの輸入量を削減したり、対抗措置として国内で生産した商品の値上げを押し付けられる可能性をエコノミストらは指摘しており、その結果、アメリカ国内の輸出産業に頼る地方に過度な打撃を与える可能性がある。

1月30日にブルッキングス研究所が発表したアメリカの輸出経済に関する最新の分析レポートは、貿易政策の変更により国内のどの地域が最も影響を受けるかを明らかにした。驚くまでもなく、大都市が輸出の根幹を担っており、ニューヨークやロサンゼルス、ヒューストン、シカゴ、ダラス、シアトルを合わせると国の総輸出の25%以上を占めている。

だが、地域経済を輸出に強く依存している都市というのは、実は全てトランプ大統領に投票した州にあるのだ。ブルッキングス研究所のレポートは、各地域におけるGDPに占める輸出の割合「輸出度」の高さを調査し、製造業やエネルギー生産に比重を置く比較的小さな都市圏が最も輸出に依存していることを明らかにした。インディアナ州のコロンバスが最も輸出度が高く、その割合は地域経済の半分を超える。次いで、テキサス州のボーモント(40%)、ルイジアナ州のレイク・チャールズ(36.9%)、インディアナ州のエルクハート(34.5%)、インディアナ州のココモ(34.1%)と続く。

これらの都市は、トランプ大統領が掲げる貿易制限により経済的影響を強く受けるであろう。しかし5つの都市すべてがトランプ大統領に投票したのだ。輸出依存度上位10都市のうち、トランプ大統領に投票しなかったのはルイジアナ州のイースト・バトン・ルージュだけだ。

「調査結果は、輸出度の高い州で偏った政治的分断が起きたことを示す」とレポートは記す。

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Brookings Institution

国家レベルでの輸出量を分析したアナリストによると、2015年のアメリカの輸出量の58%をヒラリー・クリントン候補に投票した州が占め、それぞれの経済生産の平均10%となった。これに対し、トランプ候補を選んだ州は42%、経済生産は平均13%となっていて、トランプ派の州の方が輸出依存度が高いということになる。

「トランプ派の州クリントン派の州よりも平均的に輸出依存度が高く、トランプ派の州は進行中の貿易を制限する政策によって打撃を受けるだろう」とレポートは予測している。

トランプ大統領が具体的にどのように貿易協定を見直すのか、あるいは新しい関税を課すのかは、引き続き推移を見守る必要がある。しかし、選挙キャンペーン中の公約をどう果たすかによっては、トランプ大統領の誕生に貢献した少なからぬ州に害が及ぶ危険性がある。

[原文:Nearly all of the counties that could be hardest hit by Trump’s trade policies voted for him]

(翻訳:十河亜矢子)

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