HBOのドキュメンタリーに出演したスーザン・バフェット氏
HBO
スーザン・バフェットは、20代前半になるまで、父親のウォーレン・バフェットが億万長者であると知らなかった。両親からそのことについてまったく聞いたこともなかった。
「わたしは高校を卒業し、オマハを離れてから長いこと、家のお金のことについて本当に何も知りませんでした。ある時(22歳か23歳の頃に)、ウォール・ストリート・ジャーナルで父親の記事を見つけ、そのとき初めて『わぉ! わたしが知っていること以上のことが書かれている』と驚きました」
子どもたちのための慈善事業を行っているシャーウッド財団(Sherwood Foundation)の創設者であるスーザンは、彼女の父親の半生を追ったHBOのドキュメンタリー『Becoming Warren Buffett』に出演した。
ドキュメンタリーの中で、スーザンは、家族やネブラスカ州オマハで育ったこと、なぜ父親が財産のかなりの部分を慈善事業に寄付するのかについて詳細に語った。
父親が億万長者であることをニュース記事で知ったことについては、その原因が質素な教育方針にあったとスーザンは考えている。
「わたしたちが育った時、父はお金持ちではなかったですし、有名でもありませんでした。だから、ごく普通の家庭のようにしか思えなかったのです。父は毎日会社に行き、家に帰ってきて、夕食を食べました。夕食後は2階に行って、本を読んでいました。いつも家にいました。わたしたちはほぼ他の多くの家庭と同じように過ごしていました。変わったところはありませんでした。わたしが思うに、本当に“中の上”の家庭環境で暮らしていました。父は今でもまだ同じ家に住んでいます」
ウォーレン・バフェットとスーザン・バフェット(左)
REUTERS/Jeff Taylor
父親が成功していた兆候は確かにあった。たとえば、彼女が高校生だった時、母親が奨学金プログラムを始めたことなどだ。
「1年に2、3人だけでしたが、母は奨学金をあげられるだけのお金ができると、すぐにプログラムを始めました」
よくよく思い返すと、スーザンは父親がとても成功していたと知る手がかりが早い段階にあったと言う。金融業界に関する極めて重要な本である『スーパーマネー(Supermoney)』の著者アダム・スミス(Adam Smith)が家にやってきたのだ。
「わたしは高校生だったと思います。アダム・スミスがオマハの家に来たことを覚えています。そして、本のタイトルが『スーパーマネー』と聞いて、わたしは『へぇ~、なんかすごいね』と言ったのを覚えています。だけど、今でもわたしたちが話していたあの本が、有名な本だったなんて本当に信じられません」
(敬称略)
[原文:Susan Buffett reveals the surprising way she found out that her dad, Warren Buffett, was rich]
(翻訳:須藤和俊)