Skye Gould/BI Graphics
ドナルド・トランプ氏は、トランプタワーでIT業界のトップリーダーたちと会合し、新しい政権に対して、どのような協力が可能かを話し合った。
大統領選挙中、IT業界のリーダーたちはトランプ氏自身や氏の声明について様々に議論していたため、この会合での座席配置には多くの配慮がなされていた。誰が、どこに座るのかについて、なにか決まりや理由があったのか? そもそも注意すべきことなのか?
コロンビア大学ビジネススクールの教授で、職場での協力と競争をテーマにした書籍『Friend&Foe』の共著者、アダム・ガリンスキー(Adam Galinsky)氏によると、大物たちが参加する今回のような会合では、座席の配置は大きな問題だという。
「座る場所には、物理的な効果と象徴的な効果がある」と同氏はBusiness Insiderに語った。
Skye Gould/BI Graphics
この会合について、ガリンスキー氏は、以下のように分析した。
トランプ氏はテーブルの中央に座った
これは、政治家の閣僚会議における標準的なやり方だ。会議を招集した人が前方(黒板やスクリーンの前)に座るビジネスでの会議とは異なる。
「トランプ氏の横の列に座った人たちは、トランプ氏を見るのが難しくなるが、彼との象徴的なつながりが強調される」とガリンスキー氏。つまり、トランプ氏と同じ側に座ることは、政治的に同じ視点に立っていることを強調する。
この座席配置はまた、トランプ氏側が撮影した写真のほとんどに、アマゾンのCEO ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)氏、AppleのCEO ティム・クック(Tim Cook)氏、FacebookのCOO シェリル・サンドバーグ(Sheryl Sandberg)氏のような大物たちが写り込むことを意味する。
サンドバーグ氏とオラクルのco--CEOのサフラ・カッツ(Safra Catz)氏をテーブルのこの位置に配置したことは、特に大きな意味があるとガリンスキー氏は分析する。「女性が確実に写るように意図したことは間違いないだろう」。
同じ会社の人は離された
Googleの親会社であるAlphabetからは、ラリー・ペイジ(Larry Page)氏とエリック・シュミット(Eric Schmidt)氏が、マイクロソフトからはCEOのサティア・ナデラ(Satya Nadella)氏と最高法務責任者のブラッド・スミス(Brad Smith)氏が出席した。
しかし、どちらも座席は離された。特にナデラ氏とスミス氏は、テーブルの正反対の角に座った。ガリンスキー氏は、テーブルを隔てて人を座らせることには理由があると言う。「座席配置によって、つながりをつくることもできるし、コミュニケーションを減らすこともできる。結婚式の座席を考えてみるといい」
ガリンスキー氏はまた、もう1つの側面を指摘した。「(この座席配置は)トランプ氏による自身の権威の強調を見事に表現している」
[原文:The hidden symbolism in how tech leaders were seated in their meeting with Trump]
(翻訳:編集部)