大統領の長女、イヴァンカ・トランプ氏
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トランプ一家の長女、イヴァンカ・トランプ氏が手掛けるアパレルブランドには厳しい1週間になった。
今月2日、全米最大の百貨店ノードストロームは、売上減少を理由に同氏のブランドの取り扱いを中止すると発表。また翌3日には、ニーマン・マーカスがウェブサイトから同氏のブランドを削除した。
この2つの百貨店のみならず、Amazon、Bloomingdales、Dillardなど、トランプ一家が関わる商品を取り扱っている小売店に対し、不買運動が起きている。
さらに、新たな問題が浮上した。ブランドの靴や服、ハンドバッグの多くが中国や香港から輸入品なのだ。これは、トランプ大統領が進める「バイ・アメリカン法」に反する。
米国のアパレル業界では、アジアで衣類やアクセサリーを製造し、米国へ輸入することが一般的。業界団体によると、2015年時点で、米国で購入された衣類の97%、靴の98%以上が海外からの輸入品だ。しかし、トランプ大統領の経済政策を考えると、娘のブランドが輸入に頼っている事実は問題となるだろう。
1月上旬、トランプ大統領は、中国からの輸入品に45%の関税を課すとニューヨーク・タイムズで述べた。さらに数週間後には、生産を米国国外に移す企業には「莫大な」国境税を課すと発言した。
これらはつまり、イヴァンカ氏や他の多くのアパレルブランドにとって、生産方法の変更を意味する。調査会社ImportGeniusによると、イヴァンカ氏の会社は、2016年に193回、2015年に202回、2014年に233回の輸入を行っている。
ノードストロームが販売中止を明らかにした一方で、同ブランドのマーケティング・シニア・ディレクター、ロズマリー・K・ヤング氏は「2016年、ブランドは大幅に成長し、今後も成長し続ける」と述べた。
ヤング氏は、「ブランドの強さは利益の大きさで決まるのではなく、ブランドの品位によって決まる」とBusiness Insiderに語った。
しかし、大統領の政策を考えると、今後、イヴァンカ氏のブランドの強さは、「米国で生産するかどうか」で決まりそうだ。
[原文:Ivanka Trump's foreign manufacturing practices could be her brand's next big headache]
(翻訳:梅本了平)