Googleマップが5000億円ビジネスに成長する理由

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Pilar Olivares/Reuters

Googleマップは、Googleの広告収入において、主要なポジションを獲得しつつある。

ベアード・エクイティリサーチ(Baird Equity Research)はこう予測する。「GoogleマップはGoogleでもっとも価値のある資産であり、2020年までに50億ドル(5659億円)の収益をもたらす」

Googleはマップ単体での収益は公開していない。しかし、検索やYouTubeなどの主要サービスをまとめると、その収益はGoogleの広告収益の約80%にのぼり、第3四半期決算では前年比18%増の198億2000万ドル(2兆2400万円)を計上している。

複数の専門家はGoogleマップに大きな可能性を感じている。モルガン・スタンレーのアナリストは今年の6月に、2017年には15億ドル(1698億円)の収益をもたらすと予測している。

Googleは広告をマップに統合しようと試みており、その努力がこの収益増に一役買っている。Googleは6月に、経路の途中にあるレストランやガソリンスタンドなどへユーザーを促す新しい広告機能「Promoted Pins ads」を発表した。また、広告主が、セール情報や在庫状況を検索バーに掲載できる新しい検索機能も展開し始めている。

2014年秋からGoogleマップ部門を率いてきたジェン・フィッツパトリック(Jen Fitzpatrick)氏は「マップは非常に優れた多機能ナイフのようだ」と9月にBusiness Insiderに語った

「我々が一番に考えていることは『マップに備えられた優れた機能から、ユーザーが必要とするものをユーザーが必要とするときに、いかに提供するか』だ」と彼は言う。

専門家は、Googleはすでにローカルアドの分野に進出し、すぐに競合と対決するようになると考えている。

「Googleがマップの収益を追求し始めると、他のローカルサービス提供者との競合は避けられないだろう」とベアードエクイティリサーチは投資家に指摘した。

「特に、いま以上の広告と取引サービス(フードデリバリーや予約など)を、ユーザーが生成する地元情報と合わせて拡大させた場合、Yelp、TripAdvisor、Groupon、Angie’s List、Grubhubなどとの競争はますます激しくなるだろう」

Googleはすでにローカルサービスを強化し始めている。例えば、iOS版のマップではサードパーティーによる宅配サービスをレストランの地図情報に統合した。ユーザーは、宅配サービスアプリで再検索する必要はなく、Googleはユーザーをマップに留めておくことに成功している。

[原文:Here's how Google Maps could grow to be a $5 billion business by 2020

(翻訳: 哘崎 悟 )

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