トルーマン元大統領の手紙 —— 娘の歌を批判する批評家に猛烈な勢いで反論

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ハリー・トルーマン元米大統領

Getty Images

トランプ大統領は8日水曜日(現地時間)、イヴァンカ氏のファッションブランドと契約を打ち切った大手百貨店ノードストロームに対し「イヴァンカは不当に扱われた」とツイート、新たな火種を作った。

「彼女は素晴らしい人物だ。いつもわたしが正しいことをするように背中を押してくれる」と書いたあとで「ひどい」と続けた。

しかし、娘を擁護するための攻撃について言えば、トランプ大統領が初めてというわけではない。

1950年、当時の大統領ハリー・トルーマンがワシントン・ポストの音楽批評家に宛てた手紙が全米で話題となった。手紙の中でトルーマン元大統領は、音楽批評家ポール・ヒューム(Paul Hume)氏が書いた娘のマーガレットの歌に対する批評に猛烈な勢いで反論した。

トルーマン大統領図書館によると、ヒューム氏はマーガレットのことを「可愛らしい声、小さな体とそれなりのクオリティを備えた“ユニークなアメリカ的現象”」と表現したものの、「あまり上手に歌うことはできず」「かなりの時間、ただ平坦で、特に昨夜のパフォーマンスは過去に我々が聞いた彼女のどの歌よりも単調だった」とした。

ヒューム氏は駄目押しとして「マーガレットはいまだ、プロフェッショナルな歌い方ができていない」と付け加えた。

激怒したトルーマンは、ヒューム氏に向けて強烈な反撃を加えた。


ヒューム様

たった今、マーガレットのコンサートについてのあなたのさもしい批評を読み、あなたが "8個の潰瘍を持ちながら、4個程度の潰瘍を処理する金しかない" どうしようもない人物であるという結論に達しました。

これを読む限り、あなたは成功者になれたらと切望しつつ、成功者になれずにイライラしているだけの老人です。あんなチンケな批評を、自分の働く新聞の目立たぬところに書くということ自体、あなたが丸っきり見当違いな思考の持ち主であることを証明しているうえ、少なくとも4つの潰瘍が今あなたの体内で進行している決定的証拠です。

いつかお会いできることを願っています。その時は鼻をへし折ってやるつもりですので、きっと新しい鼻が必要になるでしょう。目のまわりの青タンを治すための牛肉の塊と、下半身のサポーターが必要かも。

(新聞のコラムニスト、ウェストブルック・) ペグラー氏、あの浮浪児があなたのお仲間です。あなたがこの意見をひどい罵りとして受け取ってくれるよう望んでいます。

'H.S.T.'(ハリー・S・トルーマン)より


ヒューム氏は翌年、この手紙を3500ドルで売ったという。

水曜日の大統領の発言を擁護するべく、報道官のショーン・スパイサー氏は「大統領は家族のために立ち上がり、そのビジネスの動向と成功を賞賛する権利がある」と記者会見で述べた。

ノードストロームの広報担当者がBusiness Insiderに語ったところによれば、同百貨店がイヴァンカ氏のファッションブランドとの契約を打ち切ったのは、売り上げが悪かったからだという。

「彼女の名前を冠してはいるが、彼女自身が実際にこの会社を経営しているわけではない」とスパイサー報道官。「ある特定の政策を進めるトランプ大統領の政治的な立場を利用して、イヴァンカ氏の名前を汚そうとする動きがある。これは大統領の政策とイヴァンカ氏に対する直接攻撃だと言っていい。大統領が進める政策によって不利益を被る層がイヴァンカ氏を攻撃している」

スパイサー報道官はしかし、ノードストローム百貨店を「チンケ」呼ばわりすることだけはしなかった。

[原題:Harry Truman once wrote a newspaper columnist a scathing letter for being critical of his daughter]

(翻訳:日山加奈子)

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