未来は現実になったのに、誰も興味がないようだ

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アンドロイドウェア2.0

Hollis Johnson

最先端テクノロジーの世界で、奇妙なことが起きている。

2月8日、家電量販チェーンのベストバイ(Best Buy)は、FacebookのVRヘッドセット「オキュラスリフト(Oculus Rift )」の展示取扱店を500店から300店に縮小すると発表した。人気低迷が理由と思われる。

同時期に、Googleはスマートウォッチ向けOS「アンドロイドウェア2.0」を解禁。わたしの同僚のスティーブ・コバック(Steve Kovach)は、「この分野を再度活性化させる取り組みとしては弱すぎるし、遅すぎる」と評している。この分野もまた消費者からの人気が低迷し、ゆっくりと衰退している。

これらはわたしのようなSFオタクには衝撃的な話だ。人々は1946年に私立探偵ディック・トレイシーが初めて腕時計で通話を行った時からずっとスマートウォッチを待ち望んでいたし、「ニューロマンサー」(ウィリアム・ギブスン)といったサイバーパンクSFや「新スタートレック」のようなテレビ番組は数十年にもわたってVRをカッコよく描いてきた。AI、CPUの処理速度、ブロードバンドインターネット、そしてスクリーン技術の進歩により、これらはみな現実のものとなった。

だが、未来は現実になったのに、誰も興味がない。

なぜだ? わたしの答はシンプル。あの独創的なグーグルグラスが失敗に終わった時、テクノロジーが社会のはるか先を行ってしまっていることに我々は気づいたのだ。おしゃれな最先端ガジェットは、人類が生み出した奇妙なものになり果ててしまった。

テクノロジー対社会

FacebookはVRを使って人と人をつなげる、と大風呂敷を広げているが、このテクノロジーを使う人は限られている。ヘッドセットを着けて現実世界を遮断する。ゲーム愛好者やVRファンにとっては実際セールスポイントになるかもしれないが、多くの人にとっては孤独で他人を寄せ付けないものに映る。何らかの形で家庭生活を送っている人にとってはなおさらだ。

また、スマートウォッチがあれば人は理論的には電話から解放されるが、代わりに自分の手首を見る機会が増えるだけのことだ。数世紀にわたって、また今もなお、腕時計を見ることは「自分がいるべき場所がほかにある(つまり、ここには興味がない)」ことを示す普遍的なシンボルだ。

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Facebookのオキュラスリフト

Facebook/Oculus VR

Facebook/Oculus VR

独自の道を行くAmazon Eco(アマゾン・エコー)は優れものだ。もちろん、デジタル音声アシスタントを生み出したのはAppleのSiriだろう。しかし、Amazonの戦略が見事なのは音声AI「Alexa」の使用場面を家庭に限定したことだ。これなら誰かに部屋の向こうから、AIへの指示出しを非難されることもない。

Siriにアクセス可能なAppleのAirpodsや、間もなく登場するDoppler LabsのHere Oneヘッドフォンも同じような問題が起こるだろう。最終目的は、画面不要の “音声認識(hearable)” コンピュータを作ることだ。しかし、多くの人が音楽を聴いていない時もヘッドフォンを付けることになる

これが社会でどう受け入れられるのかはわからない。Business Insiderにも、Airpodsを耳につけ、他人との会話を拒む同僚が1人いる。同様に、最近ラスベガスに旅行した時、レビュー目的でワイヤレスヘッドホン「Beats Solo 3」を付けていたのだが、カジノフロアでヘッドフォンをしていては、浮いてしまう。

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Doppler Labs「Here One」ヘッドフォンは音声認識コンピューターへの第一歩。

Business Insider/Jeff Dunn

根本的な問題はテクノロジーではない。スマートウォッチやVRヘッドセットを作るのが簡単だというわけではない。多くの人が日々、根本的な技術の改良にいそしんでいる。だから日進月歩でVRやウェアラブルデバイスが進化していくことは間違いない。性能は向上し、価格は低下する。賭けてもいい。

問題は、FacebookやGoogle、Apple、さらにはシリコンバレーの有望な企業がどんなにこうした最先端技術を売り込んでも、それらが我々の生活習慣に根付くかどうかだ。次にまた何かスゴイもの(それが何にせよ)が登場するまでに、間に合うだろうか?

[原文:The future of tech is already here — and nobody cares

(翻訳:Conyac

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