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Appleの次のビッグ・プロダクトが何なのか、Apple社員以外は誰も知らない(社員でもたぶん知らない)。
AppleのCEOのティム・クック(Tim Cook)氏は、拡張現実(AR)の将来性に大きな期待をかけている。ARとは、現実環境に仮想的な現象を投影する技術。ARを実装したアプリのほとんどは「ポケモンGO」のように、スマートフォンをデバイスとして使用するが、おそらく、近いうちに「スマートグラス」へとその活躍の舞台は移っていくだろう。
クック氏は金曜日に公開されたIndependentのデイビッド・フェラン(David Phelan)氏とのインタビューで、ARが世界に与えるインパクトをスマートフォンの登場と同じであると話した。
わたしはARをスマートフォンに匹敵する偉大なアイデアだと考えている。スマートフォンのターゲット・ユーザーは全世界の人々だ。AppleはiPhoneを一部の人々、国、特定の市場に向けて、販売してはいない。ARはそのくらいのインパクトを世界に与える。世界中の人々の生活をよりよくできる可能性にワクワクしている。なにより、ARは楽しい。
クック氏は、AppleがARソリューションをリリースする可能性について、明言は避けたが、このようにコメントした。「わたしはARをiPhoneの中のシリコンのように考えている。製品としてではなく、中核的な技術として捉えている、ということだ」と続けた。
これはAppleがARを、カメラや他の基本的なアプリの中に含めることを意味している。Appleは過去数年で複数のAR系スタートアップを買収した。
「ARは確実に“来る”」。Loup Venturesの創立者のジーン・ムンスター(Gene Munster)氏は過去にBusiness Insiderにそう語った。「AppleがARについて言及するのを見ていると、iPhoneが発売された頃のことを思い出す。彼らは当時、携帯電話でも“何かできることがある”とほのめかしていた。Apple Watchが発売される前も彼らはウェアラブル・デバイスに言及していて、“(身につけるのに)良い場所は手首”だと言っていた」
クック氏がARの可能性に関してコメントを残すのはこれが初めてではない。2016年10月、彼は、仮想現実(VR)など他の没入型の技術よりも、ARが優れている理由を解説し、「世界中で毎日、ARを体験をすることになるだろう」と話した。
「まだ、技術的に困難な課題がいくつも残っているため、AR技術の製品化にはしばらく時間がかかる。しかし、必ずやってくる。大々的に。そして、いつかわたしたちは、ARなしで生きていたことを不思議に思うだろう。今、わたしたちが携帯電話なしで生きることを想像できないように」。10月にクック氏はそう言った。
〔原文:Apple CEO Tim Cook believes augmented reality is 'a big idea, like the smartphone' (AAPL)〕
(翻訳:一柳優心)