キャサリン妃とウィリアム王子
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あなたという存在が誰かの心を奪う要因(あるいはあなたが誰かに心を奪われる要因)は確かに存在する。その要因とはいったい何なのか? 心理学の調査を参考に愛を科学する。
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環境問題
2016年の調査によると、(環境に配慮した)エコ・フレンドリーな買い物をする男女は関係を長引かせることが(比較的)可能であることがわかった。一方、贅沢な買い物をする人たちは双方の肉体に対する関心が高く、短期的な関係に向くとされている。
気のない素振り
2014年の調査によると、合コン実験に参加した男性たちは、気のない素振りをする女性ほど「落としたい」と思ったという。ただし、この場合の彼らの「好き」という気持ちは、実はそれほど切実なものではないということを覚えておこう。愛は複雑である。
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表情
一般的に幸せそうな女性は魅力的だが、男性の場合はそうとも言えない。
2011年、1000人以上の男女を対象に実験を行った。異性の写真を示して、そこに写った人たちがどれだけ魅力的に見えるかを聞くというもの。
その結果、男性は幸せそうな表情の女性をもっとも魅力的だとし、逆に自信に満ちた姿の女性は魅力が少ないと回答した。一方、女性は、自信を誇示する男性に魅力を感じ、幸せな表情の男性には魅力を感じなかったという。
興味深いことに、恥ずかしそうな様子は男女問わず、どちらにも魅力的だと感じられたという。
相手が自分をどう思っているかわからないという「謎」
デートでは多少の「謎」が役に立つ。2011年の調査によると、人は気持ちが読めない相手に、より好意を抱くという。
女性グループAには、「彼女たちのFacebookのプロフィール写真を見て『好意を持った』という男性たち」の写真を提示し、女性グループBには、「彼女たちの写真を見て『普通』と評価した男性たち」の写真を見せた。
第3のグループの女性たちには、「プロフィール写真を見たものの、好意を持ったかどうかは不明な男性たち」の写真を提示した(実は、誰が誰に好意を持ったかという情報は研究者たちによる作り話だった)。
相手の男性が自分のプロフィール写真をどう思ったか分からなかった女性たちが、写真の男性たちに好意を持つ結果となった。
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元カレ/元カノに似ている
誰にでも「好きなタイプ」はある。女性は男性よりも、その「タイプ」に固執する。
2011年の調査によると、 男女ともに現在もしくは以前のパートナーによく似た異性の顔を「魅力的」と評価することがわかった。しかし、男性はそうでもなかった。
手を使ったジェスチャー
愛を求めるなら、“自分という”殻を破るべきだ。
文字通り、手を使ったジェスチャーと大きな動きで身の周りの物理的なスペースを埋めてみよう。2016年のある研究では、合コンにおいて、静かに座っていた相手よりも、手や腕をよく動かしていた相手に対して、参加者は「また会いたいという気持ちになった」という。
GPS機能を利用した合コンアプリで、「大きな動きをする人たち」と「ほとんど動かない人たち」を観察したところ、ジェスチャーの大きい人たちが好まれる傾向にあった。
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お互いがよく似ている
「異質な者同士が惹かれ合う」という決まり文句は、完全に的外れだ。
マッチングサイト「eHarmony」で出会ったカップルに関する研究の執筆者であるGian Gonzaga氏は「性格など広い意味で気質が似ている者同士は、日々の暮らしの中でも共通の感覚を覚えることが多く、お互いを理解しやすい」と言う。
「3つの適合性」が共通している
カナダの心理学者エリック・バーン(Eric Berne)氏によると、相性が最高のカップルは3段階のレベルで共感し合えると言う。
彼の著書『The Games People Play』 はベストセラーとなった。フロイトを引用しながら、誰もが3段階の「ego states」を持ち合わせていると彼は説く:
- 親段階:教えられたこと
- 子供段階:感じたこと
- 大人段階:学んだこと
2人の相性が本当に良い場合、それぞれの段階において通じ合える。カップル専門セラピストのピーター・ピアソン氏は、それぞれの段階でお互いの理解度を計るための質問を問いかける。
- 親段階:世の中に対するお互いの価値観や信念は類似しているか?
- 子供段階:一緒に楽しむことができるか? のびのびと自然体でいられるか? パートナーに魅力を感じるか? 2人でともに旅行を楽しめるか?
- 大人段階:お互いが相手を賢い人間だと思えているか? 一緒に問題解決に取り組むことができるか?
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2分間見つめ合う
マサチューセッツ大学の心理学者ジョアン・ケラーマン氏は、面識のない大学生72人にペアを組ませ、2分間お互いを見つめさせた。
Scientific Americanの報告によると「この実験の後、彼らは情熱的な愛と他人に対する好意が増したのを感じた」と回答した。長時間のアイコンタクトは人とのつながりを感じさせ、初対面の人にさえ「好き」という感情を芽生えさせることを示している。
お互いに「注力」し合う
付き合いの始まりや関係を育む段階において、どれだけ相手に注意を注ぐかが影響する。
40年以上に渡って関係が続いているカップルを対象とした研究から、心理学者のジョン・ゴットマン(John Gottman)氏は、すべては「注力」次第だと言う。たとえば、とても鳥が好きな妻が、ゴシキヒワが飛んで来て、近くの木に止まったと夫に話した時、夫はその発言を無視することで妻に「背く」こともできれば、興味を分かち合うことで妻に「向き合う」こともできる。
エミリー・スミス(Emily Esfahani Smith)氏がthe Atlanticで報告したように 、「注力」の差が招く結果は驚くべきものだ。ゴットマン氏のある結婚に関する研究によると、 6年後に離婚したカップルにとって「向き合う」反応は全体の33%の割合だったのに対し、婚姻関係を継続するカップルは87%が「向き合う」と回答したという。
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におい
南カリフォルニア大学の排卵期の女性を対象とした研究によると、一部の女性は男性ホルモン「テストステロン」の多い男性が着用したTシャツのにおいを好むという。
これは排卵期の女性の一部は顎のラインがはっきりした男性を好むなど、ホルモンの影響で起こる直感にも関連している。
異性親と容姿が似ている
セントアンドリュース大学の心理学者デビッド・ペレット(David Perrett)氏とその同僚たちは、自分の異性親と同じ髪の色や目の色をした人や自分が産まれた時の異性親の年齢に近い人に魅力を感じる人たちがいることを明らかにした。
「30歳以上の高齢の親の元に生まれた女性は、若さに惹かれることは少なく、30歳未満の若い親の元に生まれた女性たちよりも年齢を感じる顔つきの男性に魅力を感じる 」「男性の場合、好みの女性の顔は彼らの父親ではなく母親の年齢が影響するが、これは長期の関係に限ったことである」と著者は述べている。
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犬を飼っている
2014年、「100人のイスラエル女性が『男性に関するショート・ストーリー』を読む」という実験が行われた。ストーリーに犬を飼う男性が登場すれば、女性たちは犬を飼わない男性よりも、長い関係を築くのに適した相手として、その男性を評価した。
研究者は言う。ペットを飼うということは、何か(誰か)を育てることや長期に渡る献身が可能であることを示している、と。また、 落ち着きがあり、親しみやすく幸福感のある印象にもつながる、とも。
ペットを飼うことに興味がなくても、犬と一緒にいるだけでデートにふさわしい相手とみなされる。2008年の研究によると 、ある20歳の男性が何百人もの女性にアプローチし、電話番号を尋ねる実験を行ったところ、犬を連れている場合、高い確率で番号を聞き出すことができたという。
容姿において同等または自分の方が多少劣る
1996年の調査では、各参加者がまず身体的な魅力度で格付けをされ、デート相手をランダムに割り当てられるという実験が行われた。その後、各参加者は相手に対する満足度を評価するよう求められた。より魅力があると格付けされた参加者ほど、自分と同等に格付けされた相手にもより厳しい評価を与えた。 容姿が良いとされる者ほど、相手への満足度が低くなる結果となった。
しかし、これは明らかに魅力的とされる人たちに当てはまることだ。通常、マッチングの理論からすれば、人々は自分と同程度に魅力的な相手に惹かれる傾向にある。
Tech Insider のDrake Baer 記者による記事の更新版。
[原文: 14 surprising psychological reasons someone might fall in love with you]
(翻訳:バーミンガム 昌子)