感情が制御不能になる前にボディスキャンして、自分の感情をキャッチしよう。
flickr/garyknight
先日、グーグルが開発した「サーチ・インサイド・ユアセルフ」(以下、SIY)と呼ばれるマインドフルネスのプログラムに参加した。
このプログラムは現在、Search Inside Yourself Leadership Instituteにより、公式に提供されている。
プログラム受講中に、いくつかの深い気づきがあった。その最大のものは「感情は、実は体が感じている」という気づきだった。SIYの講師であるロバート・チェンダー(Robert Chender)氏が与えてくれたこの洞察は、「ボディスキャン」と呼ばれるマインドフルネス・エクササイズの意味を理解する手がかりとなった。
このエクササイズのポイントは、体に注意を向けることで、今起きている感情を理解する判断材料を得ることだ。
やり方だが、まず頭の上から始めて、体のすべての部分に意識を向け、どう感じるかを確かめる。頬が熱かったり、拳に力が入っていたりしたら、もしかすると怒りを感じているのかもしれない。心臓がドキドキしたり、手のひらに汗をかいているのであれば、不安を感じている可能性がある。
「不安や怒りをどう感じるかなんて5歳児でもわかる」と、幼稚なことのように思うかもしれない。しかしここでのポイントは、ネガティブな感情が制御不能になる前にいち早く察知することにある。
筆者は、自分が不安を感じていることに時々気づかないことがある。
例えば、仕事の面接、納期、友達との口論など、動悸か激しい腹痛を起こして初めて自分がネガティブな感情に陥っていたことを理解することもしばしばある。そこまでいくと、手遅れではないものの、落ち着きを取り戻すことは10分ほど前よりはるかに難しくなる。
SIYでは15分間のボディスキャンを練習した。しかし10秒間の簡単なボディスキャンでもかまわない。どちらをやるにせよ、自分の体で何が起こっているかに興味を持つ機会として使って欲しい。
何を感じたのか。そして、それはなぜなのか?
シンプルに感情にラベルを付け、その感情を受け入れ、感情の波を軽減させよう。チェンダー氏は興味深い発言をした。
「わたしたちの体は、時に驚くべき情報源になる。感情的になった時、体で何が起こっているかに注意を向けるといいだろう。私たちが感じていると思う気持ちが、体でも感じているものなのかテストするのです」
例えば、あなたが心配だと思っている時、実はあなたの体の生理的な活動は、怒りを示しているかもしれない。
このエクササイズの目的は、正しいか間違っているかではない。自己認識力を高め、それから得られた情報を日々の行動に生かすことだ。
(翻訳: 井本慶太郎 )