Aly Weisman/Business Insider
アマゾンが、西海岸のベイエリアでは1号店となる書店をウォルナット・クリークにオープンする。サンフランシスコから32キロほど離れた郊外だ。
East Bay Timesのジェニファー・モデネシー(Jennifer Modenessi)氏によると、同社の書店は高級ショッピングセンター「ブロードウェイプラザ」内にできる。
同社の広報はBusiness Insider宛てのメールでこの報道を認め、「当社はウォルナット・クリークのブロードウェイプラザに書店をオープンすることを楽しみにしており、現在、店長と従業員を募集中です」と述べた。
サンフランシスコ店は同社の9つ目のリアル書店だ。すでに3店舗が、シアトル、サンディエゴ、ポートランドにオープン済みで、この後、ニューヨーク、シカゴ、ニュージャージー、そしてボストン郊外に2店舗と合計5店舗がオープンする予定。
同社がサンフランシスコの中心部ではなく、ウォルナット・クリークを選んだ理由は不明。しかし、ウォルナット・クリークは有名な買い物スポットで、他の同社の書店と同様に、独立経営の書店の近くに位置する。
East Bay Timesによれば、ウォルナット・クリークでは、ここ数年で大型書店が姿を消し、現在は「Swan's Fine Books」という古本屋一店のみになっている。同社の新店舗はこの古本屋から500メートル弱、歩いて7分ほどの距離にできる。
同社の書店は、ショッピングエリアよりも、むしろ地域コミュニティが整っている場所に出店されている。それはつまり、独立経営の書店が狙っているようなエリアだ。例えばシアトル店は「Third Place Books」という書店から2.5キロの距離、シカゴ店は歴史あるLakeview地区にあり、近隣の2店の書店からそれぞれ1.6キロずつ離れたところにある。
ここ最近の独立経営の書店の成功事例を見ていると、アマゾンがその市場を狙って実店舗を構えることは理解できる。
しかし、同社が突然、リアル書店の展開に注力し始めたことにはまだ疑問が残る。同社CFO ブライアン・オラサフスキー(Brian Olasavsky)氏は1つ手がかりをくれた。
「ユーザーがアマゾンの端末に触れ、実際に手にとって試し、ファンになっていく場所が、我々にとっての書店。そういう意味で、リアル店舗にはビジネス上の大きな価値を見出している」と同氏は直近の決算報告の中で述べている。
書店には本だけでなく、KindleやAmazon Echo、その他、同社がアピールしたいガジェットが並ぶことになる。
[原題:Amazon is finally opening a bookstore in the San Francisco Bay Area(AMZN)]
(翻訳:日山加奈子)