歴史上の英雄たちに学ぶ「リーダーシップ5カ条」

アレキサンダー大王

Wikimedia Commons(*1)

歴史上の英雄たちを「美術館の彫刻」のような不変のカリスマとして捉えることは簡単だが、実際、彼らはわたしたち同様、生きた人間であり、悩み、苦しみながら、苦難の人生を自らの力で切り拓いていった。『History.net』が格付けした歴史上もっとも偉大な将軍ランキングの中には、そんな古代の英雄たちも含まれている。今回、Business Insiderでは、歴史に残る有名な戦略家たちがどのようなリーダーシップを発揮したかを調べた。偉大な将軍たちに学ぶ「リーダーシップの5カ条」である。

レオニダス1世:部下である兵士たちを優先せよ

レオニダス1世

Wikimedia Commons(*2)

現在ではおそらく、レオニダス1世は映画『300』の主人公として最もよく知られている。「これがスパルタだ!」と叫ぶ男がレオニダス1世だ。

このスパルタの戦う王は、紀元前480年のテルモピュライの戦いにおいて、わずかな手勢を率いてペルシャに対する最後の抵抗を行い、自らを犠牲にしてペルシアの大軍勢を足止めした。彼の軍略によって味方のギリシア同盟軍は無事に撤退することができた。

大学教授のジェームズ・R・ホームズ(As James R. Holmes)氏がWebメディア『Real Clear Defense』に寄稿したところによれば、彼の犠牲は「勝ち目のない逆境に直面した時の勇気の比喩」だ。リーダーとしてレオニダスは、ギリシアの自由を勝ち取るために、自分自身よりも、部下の兵士たちが常に満足した状態にあることの重要さを理解していた。

テミストクレス:自ら運命を自ら切り開け

テミストクレス

Wikimedia Commons(*3)

アテネの政治家であり、軍人であったテミストクレスは、ペルシアの第2次ギリシア侵攻の際、上記のレオニダス1世とともに戦った。テルモピュライの戦いと同じ紀元前480年、テミストクレスはサラミスの海戦で参謀を務めた。この戦いはペルシア戦争のターニングポイントとなった。

以前、Business Insiderが報じたように、テミストクレスとその軍は当時最盛期にあったペルシア帝国に対峙していた。この逆境にもかかわらず、劣勢のギリシアは士気に溢れ、祖国を守るために必死の抵抗を試みた。とりわけ、サラミスの海戦において、テミストクレスはペルシア艦隊との決戦に向けて同盟軍を鼓舞し、風に関する知識を活用して敵に大打撃を与えた。

アレキサンダー大王:過労の危険性を侮るな

アレキサンダー大王

Wikimedia Commons(*4)

アレキサンダー大王は歴史上もっとも有名な“征服者”の1人だ。地中海とその周辺にヘレニズム文化が広がったのは彼の存在が大きい。しかし、アレキサンダー大王の自尊心は結局、彼自身と彼の帝国を身の丈に合わない規模にまで拡大させてしまったのかもしれない。

兵士の疲弊により、インド進軍からやむなく撤退した後、アレキサンダー大王は憔悴しきっていた。どんなに才能のあるリーダーであっても過労には打ち勝てない。リーダーは引き返す潮時や休憩するタイミングを知っていなければならない。アレキサンダー大王はこれに欠けていたために、紀元前323年、32才という若さで早すぎる死を迎えた。

ハンニバル:周りのサポートの大切さを知れ

ハンニバル

Wikimedia Commons(*5)

カルタゴの将軍ハンニバル・バルカは第2次ポエニ戦争で共和政ローマを屈服させた。紀元前218年、彼は兵士と象を率いてアルプスを越え、15年に渡ってイタリアを占領した。現在、ハンニバルは稀代の天才戦術家として広く認められている。彼の失脚は、彼が守るために戦った人々によってもたらされた。

作家のジョシュア・J・マーク(Joshua J. Mark)氏はウェブサイト『the Ancient History Encyclopedia』にて、ハンニバルはローマを征服し、戦争を終わらせるための十分な兵力と物資を送るよう、カルタゴの為政者に何度も懇願したと書いている。カルタゴはこれを拒否し、「不便にならないだけのわずかな援助のみを送っていた」

最終的にローマは形勢を逆転、カルタゴ本土を襲撃し、ハンニバルをアフリカ大陸へ押し戻した。そして、彼はザマの戦いで敗北した。この歴史的な事実は次のことを伝えている。「才能や賢さは重要だが、真の成功のためには他者の助けが不可欠である」

カエサル:リスクを冒すことの重要性

カエサル

Wikimedia Commons(*6)

ユリウス・カエサルは紀元前49年に兵を従えてルビコン川を渡り、共和制ローマに宣戦布告した。皇帝伝』の著者スエトニウスは、カエサルがルビコン川を渡る時、アテネの劇作家の言葉を引用して「賽は投げられた」と宣言した、と記している。カエサルは彼の支持者と反対派の間で血なまぐさい内戦を引き起こしたが、最後には勝利し、独裁者となった。もし、彼が大きなリスクを冒さなければ、これほどの大きな成功はなし得なかっただろう(暗殺からは逃れられたかもしれないが)。

これはリスクの高い勝負も、時にはうまくいくということを示している。偉大なリーダーはリスクを負うべきタイミングを知っている。彼の大きな賭けの結果によって、共和制ローマは終焉を迎えた。

images:*1、*2、*3、*4、*5、*6

[原文:5 lessons we can learn about leadership from some of the most famous generals in history

(翻訳: 小池祐里佳 )

関連記事

Recommended

Sponsored

From the Web