クリッパンの変遷
Ikea
イケア(IKEA:1943年創業)は38カ国に300店以上を擁する世界最大の家具メーカー。同社のデザインマネージャー、マーカス・エングマン(Marcus Engman)は16歳から同社で仕事をしている。
エングマンは、我々とのインタビューの中で、もっとも気に入っている製品はクリッパン(KLIPPAN)の2人掛けソファだと述べた。
エングマンの父親、マーズ(Lars)が1970年代にこのソファをデザインした。1979年に発売されたこの製品は、今でもIKEAでもっとも人気のあるソファだ。30年以上に渡って愛され続けている理由を彼が教えてくれた。
「クリッパン」は手頃なサイズで、どんな家にも置ける。布製のカバーを交換できるので、部屋を模様替えしても、簡単に(部屋の感じに)合わせることができる。IKEAは通常のコットンカバーに加え、毎年、限定版のカバーを発売している。
「色を変えられるので、長く使えます」
「クリッパン」の最初のモデルでは木製のフレームを使っていたが、近年はより安価で、軽量な素材(パーティクルボード、ポリウレタンフォーム、ファイバーボードなど)が用いられている。脚の部分は、初期は木に塗装していたが、現在はアルミ製だ。2004年には、誰でも自宅で組み立てられるよう、平らな梱包箱に収まるようにパーツのデザインが改良された。ブルームバーグによると、こうした変更により、価格は1979年以来、40%引き下げられている。
価格は色によって異なるが、米国で249~299ドル(約2万8000円〜3万4000円)。低価格ゆえに、初めて部屋を借りる人にとっては魅力的な商品になっていると、エングマンは語る。
エングマンにはこの製品に個人的な思い入れがある。幼い頃、父親が開発中のモデルをよく自宅に持ち帰ってきたのだ。
「父はテストのためにソファを自宅に持ち込み、わたしと妹によく感想を聞いたものです。このソファにはたくさんの良い思い出があります。これほど長く愛されているのは嬉しいことです」
(敬称略)
source:IKEA
[原文:Ikea’s top design chief reveals the company's best product of all time]
(翻訳:Conyac)