エンブラエルの「Kyoto Airship」
Embraer
正直に言おう。飛行機に乗ることは、小さな丸窓のついた、加圧された金属チューブの中に詰め込まれることだ。
数十億円の豪華なビジネスジェットでさえ、陽の光はわずかしか差し込まない。
しかし、ブラジルの航空機メーカー「エンブラエル(Embraer)」は、まるでSF映画から飛び出してきたような常識を覆すインテリアの飛行機を発表した。
同機のインテリアデザインのコンセプトは「Kyoto Airship」。同社のビジネスジェット「リニージ1000(Lineage 1000)」に、垂直方向に広がる窓と天窓をつけた。
このデザインは、5500万ドル(約63億円)の同機の顧客に向けたものだ。
しかし、天窓はプライベートの航空機には新しいものではない。30年物のセスナ機には天窓が付いている。しかし、高度3万5000フィート(約11km)を飛ぶジェット機に天窓がつけられたのは初めてだ。
この新コンセプトのために同社のチームは、大きな観測窓を備えたブラジル政府用のリージョナルジェット「ERJ-145」の技術仕様書をまとめたと、同社インテリアデザイン担当副社長ジェイ・ビーバー(Jay Beever)氏は2106年、Business Insiderに語った。
ちなみにこの同社のデザインチームは、座席ではなく、床に座りたがりそうな日本人客を想定してデザインしたそうだ。Kyoto Airshipは窓枠の下部が低い位置にあり、仮に床に座っても違和感がないようにデザインされている。
Embraer
巨大な窓は機内を陽の光で満たしてくれるが、実際に飛行する際には、陽の光がキャビンの温度を上昇させることに対処しなければならない。結局、ほとんど雲の上を飛ぶのだから。
同社は、ビジネスジェットにこれまでにない何かを求める、勇気ある顧客を待ちわびている。
ビーバー氏は「この航空機を作ることを心待ちにしている。お客様はいつでも注文できる」と語った。
エンブラエル「リニージ1000」
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source: Embraer
[原文:This beautiful new plane has a feature we've never seen before]
(翻訳:堀口 ゆりえ)