アメリカでの知名度アップを図るANAの狙い

全日空のボーイング787

全日空のボーイング787ドリームライナー

All Nippon Airways

全日本航空(ANA)は、250機以上の航空機を持ち、年間5000万人を運ぶ日本を代表する航空会社だ。

また、イギリスの航空サービスリサーチ会社のスカイトラックス(Skytrax)が毎年発表している世界の航空会社ランキングで、同社は5つ星評価を獲得したわずか9つの航空会社の仲間入りを果たしており、世界で最も尊敬されている会社の1つだ。

しかし不幸なことに、アメリカでは同社の存在はあまり知られていない。

「われわれはアメリカ国内での知名度を向上させようと努力している」と、同社でアメリカ国内のコミュニケーション戦略を統括する松下正氏はBusiness Insiderに語った。 インタビューの最後に同氏は「全日空は日米間の空路として、常に選ばれる航空会社になりたい」と付け加えた。

そこで同社は「Welcome to Experience Class 」と題した新しいマーケティングキャンペーンに取り組んでいる。そこでは世界的に有名なDJスティーブ・アオキ(Steve Aoki)氏とコラボしている。

「われわれは航空機における『クラス』という言葉を再定義したいのです。目的地に至るまでの移動自体も、目的地に行くのと同じくらい重要で、座席の位置に関係なくすべての方に同じ価値を体験していただきたい」と松下氏。

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スティーブ・アオキ氏

Getty Images

このキャンペーンでは、アオキ氏を主役に据えたビデオが使われ、ハイクラスなサービスや機内の設備、そしてエキゾチックな目的地の映像を見ることができる。ビデオに加え、数々の受賞歴があるアオキ氏が、音楽ストリーミングサービスのスポティファイ(Spotify)のスペシャルプレイリストを作成する。

全日空によると、アオキ氏やスポティファイとともに、ファッションやカルチャーに影響力を持つ人たちとの協力関係を強めていくため、キャンペーンは来年も行われるということだ。

このキャンペーンを通じて同社は、20歳のミレニアル世代から55歳のベビーブーマー世代まで、アメリカのコアな航空機ユーザーに訴えかけたいと松下氏は述べる。さらに言えば、文化や楽しみを求めるビジネス利用者も、刺激や冒険を求める旅行者もどちらも取り込みたいとのことだ。

北米が全日空にとって大切な理由

日米間の乗客は、同社のビジネスにおいて非常に重要だ。

正確に言うと、2015年の国際便からの収益のうち、32%が日米間のものだ。

そしてこれは、全日空が今後より成長させたいと考えている領域でもある。 事実、東京を拠点とする全日空の野望は、日米間の空路だけに留まらない。多数の受賞歴を誇る全日空は、北米の顧客が東アジアや東南アジアに行く際、本拠地である東京の羽田空港や成田空港が入口になればと考えている。

しかし、昨今の航空会社間の競争は熾烈だ。

松下氏によると全日空は、同じ日本のライバル会社である日本航空(JAL)のみならず、アメリカの3大航空会社、アメリカン航空、デルタ航空、ユナイテッド航空とも、太平洋空路で闘わなければならない。同時にキャセイパシフィック航空やシンガポール航空に代表されるアジアの航空会社、エミレーツ航空、エティハド航空、カタール航空などとも競争しなければならない。

「競争はどんどん厳しくなっているが、優れた機体、サービス、そして細部へのこだわりを持つわれわれのメッセージが1度伝われば、優位に立てる自信はある」と松下氏は語った。


(*編集部より:本文中の「年間50億人を運ぶ日本を代表する航空会社だ」を「年間5000万人を運ぶ日本を代表する航空会社だ」に修正しました。2017年3月10日17時40分)

[原文:Japan's largest airline wants America to know why it's awesome

(翻訳: 日山加奈子 )

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