チームラボに届くトップエンジニアの卵の作品 —— 拡大を続けるデジタルアート集団の風変わりな採用方法

デジタルアートの制作からオフィス設計、さらには企業のシステム開発、プロモーション戦略までを幅広く手がけるチームラボ(teamLab) —— 。2001年の創業から今では400名のメンバーを有するまでに拡大した。現在、彼らが創る作品は国境を超えて展開される。

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チームラボのミーティングルーム

提供:チームラボ

学歴ではなく、卒業制作や卒業論文を重視

チームラボは年々事業規模を拡大しており、毎年、数十名の新しいメンバーが加わる。スタッフの7割近くはエンジニアだ。同社は現役大学生や大学院生の採用を積極的に行っていて、4年前からは卒業制作や論文だけで選考する採用方法を採用し始めた。トップエンジニアやデザイナーの卵を獲得するための同社独自のユニークな採用方法だ。

「未知の領域でプロジェクトを行うチームラボと、大学の研究室で先進的な研究に取り組んでいる大学生や大学院生たちとの相性は良いと思います。もの作りに没頭して、大学4年生の春まで就職活動をする暇がなかった学生たちには、その作品を持ってきてもらいたい。学歴が書かれた履歴書よりも、何をやってきたかを示す作品や研究の方が大切」と話すのはチームラボの採用担当の1人、伊丹孝明氏だ。

「卒制/卒論採用」は今年で4回目。今年もすでに数々の研究成果や作品が送られてきていると伊丹氏は話す。例えば過去には、AR(拡張現実)を利用した教育プログラムの研究結果を送ってきた学生もいれば、デザインの発想をデータベース化しようと、発想の起点をアルゴリズムを組んで研究した学生もいた。

ユニークな美術作品を持参する学生もいる。美術大学に通う学生は面接の際、ある「タイポグラフィ集」を持参した。開くと約1メートル程になるその作品集には、およそ50種類の「My name is Raina」の文字が綴られている。この学生は現在、ビジュアルデザイナーとして働いている。

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美大生が披露したタイポグラフィ集

提供:チームラボ

チームラボは国内外のトップレベルの大学に通う学生を対象に、年間を通じてインターンシップに参加する学生を募集している。今までに、東京大学やハーバード大学、スタンフォード大学、中国の清華大学などから学生をインターンシップに迎え入れた。この夏にはマサチューセッツ工科大学の学生が加わる予定だ。

「アメリカでは、シリコンバレーの巨人であるGoogleやApple、Facebookでインターンとして働きたいと思う大学生が多い。ライバルは強力です。それでも、もの作りにこだわりを持ち、チームラボに魅力を感じる学生は国内外にたくさんいると思います」。伊丹氏はBUSINESS INSIDER JAPANとのインタビューでそう語った。

平均年齢29才。チームラボのメンバーの7割が男性だ。400名のメンバーのうち15%が外国人である。東京都文京区にあるオフィスの広々としたミーティングルームでは、段ボールで作られたテーブルを囲って、「カタリスト」と呼ばれる企画や提案、制作進行などの業務全体に携わるメンバー達が、デザイナーやエンジニアたちとディスカッションを続ける。

選考で妥協はしない

東京大学工学部・計数工学科を卒業し、チームラボを創業した猪子寿之氏が率いるデジタルアート集団は、2008年頃から海外における活動を活発化させた。欧州最大のバーチャルリアリティ博覧会で文化賞を受賞したり、台北の国立台湾美術館では外国人では初となる個展を開催した。

ニューヨークやパリ、北京などの都市に拠点をもつ「ペースギャラリー」は2016年2月、カリフォルニア州メンロパーク市のテスラの本社跡地にギャラリーをオープンしているが、チームラボはその第一弾プログラムに招待され、オープニングを飾っている。

「優れた人材の確保は、チームラボが成長するためにとても重要です。選考において妥協はしません。今後も優秀な人を日本や世界で探していきたい」と伊丹氏は語った。

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チームラボ・採用担当の伊丹孝明さんと居軒沙紀子さん

中西亮介

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