20年以上前のインタビューで「LSDを使ったことがある」と認めている。
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起業家が成功をつかむ途中で、幻覚剤や他の非合法ドラッグに走ることがある。自分の脳を「ハック」するためだ。
スティーブ・ジョブスはLSD、リチャード・ブランソンはマリファナを愛用、作家で投資家のティム・フェリス(Tim Ferriss)はアヤワスカがお気に入りだ。アマゾンの先住民が儀式などに使うアヤワスカは強力な幻覚作用があり、アメリカでは違法だ。
ビル・ゲイツはどうだろう?
「プライベートを明かさない。酒やたばこ、ドラッグの類には手を出さない」と評判の彼も、実は幻覚剤を使ったことがある。
1994年、ゲイツは雑誌『プレイボーイ(Playboy)』のインタビューで、「若気の至り」でLSDを使用した過去を、はっきりではないが、暗に認めている。
インタビューを引用しよう。
記 者:LSDを使ったことは?
ゲイツ:「若気の至り」はとっくの昔に終わった。
記 者:どういう意味ですか?
ゲイツ:25歳になるまでにやってみたことの中で、その後、続なかったものがあるということ。
記者は続けて、ゲイツがLSDでトリップした時の体験について聞いた(記者がなぜこの話を知っていたのかは不明)。
記 者:テーブルをじっと見つめ、テーブルの角が目の中に飛び込んでくると思ったらしいですね?
ゲイツ:(笑)
記 者:その笑いは、「認める」という意味ですね。
ゲイツ:あっち側の世界だった。
「マイクロソフト・ビジター・センター」に飾られている若き日のビル・ゲイツ(左側)。
Ron Wurzer/GettyImages
この告白は驚くべきことだ。ゲイツが砂漠でペヨーテ(幻覚作業のあるサボテン)を楽しんだり、パーティーで大騒ぎしたという噂は聞いたことがない。スティーブ・ジョブスも、ゲイツは想像力が乏しいから「若い頃にLSDをやるか、インドにでも行けばよかったのに」と自伝の中で書いている。
ゲイツは、彼の「若気の至り」は「とっくの昔」に終わったとインタビューで語った。
「若い頃なら、遊び回っても大丈夫なのだろうけど(ここでゲイツが使った『遊び回る(goop around)』は、「ハイになる」という意味のスラング)、この年ではもう無理。年を重ねると、睡眠不足とか、とにかく体に負担をかけることが前よりもできなくなる。でも、仕事を休んだことは今まで一度もない」
このインタビューはプレイボーイのサイトからは消去されている。しかし、インターネット・アーカイブ「Wayback Machine」で、全文を読むことができる。
(敬称略)
[原文:Bill Gates once coyly defended LSD use by saying 'I never missed a day of work’]
(翻訳者:にこぱん)