Reuters
AppleのCEO ティム・クック(Tim Cook)氏は先週、拡張現実(AR)はiPhoneに匹敵するアイデアだと語った。
AppleのARを用いたプランに関してクック氏がコメントを残すのはこれが初めてではない。ARとは、現実環境に仮想的な現象を投影する技術。次世代「Google Glass」、もしくは「ポケモンGO」や「Snapchat」の顔フィルターの新しい形だと考えてほしい。
AppleがARを通して何をするにしろ、Metaioの技術は含まれるだろう。Appleは一連のAR系企業の買収の皮切りとして、Metaioを2015年に買収した。
AppleがMetaioを買収したことは、Appleが描いているARを用いたビジョンに直接関係がある。BloombergがAppleのM&A戦略に関する詳しい報告で実際にそう伝えている。
Bloombergからの抜粋:
Appleが2015年にMetaioを買収した時にこんなことがあった。交渉を成立させるためにMetaioから指名された銀行員たちは部屋に入ることを許されなかった。Metaioの幹部たちは提示された金額を低いと感じていたが、AppleのAR技術を用いたビジョンを聞いて納得したのだ。これは、その話し合いをよく知っている人物からの情報だ。
すると疑問が浮上する。AppleのAR技術を用いたビジョンとは一体なんなのか? なぜ10年以上にわたって、大手企業を含む勢いのあるクライアントを抱えるMetaioが手頃な価格での買収を許したのだろうか。
AppleのMetaio買収について示すドイツの文書によれば、Appleは1株当たり1ユーロを支払い、おおよそ3000万ユーロ(約36億円)でMetaioを買収したそうだ。Metaioの元社員は以前、Business Insiderにこの数字はほぼ正確であると伝えている。
AppleのAR製品や戦略にとって、Metaioの技術が重要である証拠が他にもある。Metaioの前CEOであるトーマス・アルト(Thomas Alt)氏は、昨夏に自身の肩書きをAppleの「Director of Procurement, Strategic Deals Team」に変更しているのだ。
Metaioの取引がまとめられてから、AppleはFlyby MediaやIndoor.ioなどの他のAR系スタートアップも買収した。Appleは他のAR技術にも目を向けているが、具体的な話はまだ浮上していない。
下記の動画は、買収される前のMetaioの技術の映像だ。Appleはこの技術を使ってどんなビジョンを描いているのだろうか?
*以前Metaioに勤めていましたか? AppleとARについて何か知っていますか?
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source: Bloomberg
〔原文:Apple’s 'vision' for its next big thing convinced a big company to sell itself for cheap (AAPL)〕
(翻訳:一柳優心)