Lionsgate
今年のアカデミー賞作品賞の最有力候補を語る上で、映画評論家が注目するのが歴史に残る名作ミュージカル映画だ。
前作『セッション』でも話題になったデミアン・チャゼル監督のミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』には、主演のライアン・ゴズリングとエマ・ストーンがデビューするずっと前にスクリーンに登場したミュージカル映画の名作に対するオマージュが多数見られる。実際、ゴズリングとストーンは撮影の準備段階から過去のミュージカル映画を観て研究を重ねたと話している。
『パリの恋人』から『雨に唄えば』まで、『ラ・ラ・ランド』を観る前に知っておきたい名作ミュージカル映画のシーンはこちら。
『踊るニューヨーク』(1940年)のフレッド・アステアとエレノア・パウエルが星の降るステージでタップダンスを踊るシーン。
MGM
『ラ・ラ・ランド』では、ライアン・ゴズリングとエマ・ストーンが満点の星空の下、ワルツを踊るロマンチックなシーンとして、アステアの代名詞ともいえる華麗なダンスシーンが再現されている。
Summit Entertainment
『スイート・チャリティ』(1969年)では、ダンサーになる夢を諦めないシャーリー・マクレーンがポーラ・ケリー、チタ・リヴェラと共に、単色のドレスをまとって踊る。
Universal Pictures
『ラ・ラ・ランド』では、エマ・ストーンがいくつものオーディションに落ちた後、カラフルなドレスを着たルームメイトたちとロサンゼルスの路上で踊る。
Lionsgate
『雨に唄えば』(1952年)は、ミュージカル映画の中で最も有名かつ愛された作品とも言われる。ジーン・ケリーが土砂降りの雨の中、街灯に登る。
MGM
『ラ・ラ・ランド』では、ライアン・ゴズリングが街灯に登って優雅に踊る。
Lionsgate
単色ドレスや大掛かりな路上でのダンスシーンの他にも、随所に『雨に唄えば』をモチーフにしたシーンを見つけることができる。まさに『ラ・ラ・ランド』の先祖といったところだろうか。
MGM
出演したキャストも、『雨に唄えば』を毎日観てイメージを膨らませたと報じられている。
Lionsgate
1953年のミュージカル映画『バンド・ワゴン』には、シド・チャリシーを連れたフレッド・アステアが黄昏時のセントラルパークでダンスを披露する有名なシーンがある。
MGM
『ラ・ラ・ランド』では、ゴスリングとストーンが夕暮れ時のグリフィス・パークでタップ・ダンスを披露。
Lionsgate
『パリの恋人』(1957年)は、オードリー・ヘップバーンがフレッド・アステア演じるパリのカメラマンのモデルになることを承諾し、スターになるきっかけを得る。
Paramount Pictures
エマ・ストーンも映画に出演するため、パリに移り住むことでスターへの道を得る。
Lionsgate
そして、おそらく『ラ・ラ・ランドがもっとも参考にした映画として挙げられるのが、フランスのミュージカル映画『シェルブールの雨傘』(1964年)だ。2つの作品に共通する点は多いのだが、『シェルブールの雨傘』の象徴的なエンディングは『ラ・ラ・ランド』最高のシーン、エピローグに反映されている。
有名なシェルブールの雨傘のエンディングはこちら。
Source: Lionsgate, MGM, Summit Entertainment, Universal Pictures, Paramount Pictures
[原文:Here are all the iconic musical movie references in 'La La Land' you need to know]
(翻訳:水上雅裕)