ロボアドバイザーか人間か —— 金融アドバイスの未来はどっちだ

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Warner Bros.

  • ロボアドバイザーは、当初考えられていたほど、金融アドバイスの世界に改革をもたらすことはないだろう
  • ロボットのみになるのではなく、人とのハイブリッドモデルになる
  • ハイブリッドモデルのメリットは、コスト削減や人による対応

ロボットに仕事が奪われるという話を聞いたことがあるだろう。

都市部やウォール街のような場所での会話は、「自動化が進んでいる」という話題から始まる。製造業から金融アドバイスまで、すべてにおいてテクノロジーが高賃金の雇用を奪っているという話題だ。

「ロボアドバイス」と呼ばれるサービスの増加はこのトレンドの一部だ。

ロボアドバイザーはオンラインまたはスマートフォンのアプリを介して金融のアドバイスやポートフォリオの管理を行う。 ポートフォリオを作る時に、人間からのアドバイスは使わない。アルゴリズムを使って投資先を決める。

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ロボアドバイスに特化する企業が2013年から3桁の伸びている。

Morgan Stanley

ロボアドバイザーの手軽さと、数分でアカウントを開設できるシンプルさが、人気と成長を加速させている。

ジュリア・オーロラ・ミヨット(Giulia Aurora Miotto)氏が率いるモルガン・スタンレー(Morgan Stanley)の分析チームによると、ロボアドバイスに特化する企業は、2013年から3桁の伸びを記録した。さらに、2025年までにロボアドバイスの世界市場は6.5兆ドル(約740兆円)に成長すると予測した。

しかし同社は、ロボアドバイス企業の急速な成長にもかかわらず、ロボットがチャールズ・シュワブ(Charles Schwab)のような企業のポジションを奪うとは考えていないし、完全に人間の代わりになるとも考えていない。

「ロボアドバイザーは、我々が恐れるほどの混乱をもたらさないと考えている。人間同士のネットワークが依然として重要な意味を持つからだ」とモルガン・スタンレーは述べた。

同社は、ロボットが旧来の競合を凌駕できない理由をいくつかあげている。主な理由は、投資家たちは依然として財政計画に関わってくれる金融関係者を必要とし、求めていることだ。

「金融業界の顧客は、何らかの形で人との関わりを必要としていることが多い。突然の市場の動きが、予期せぬ損失につながる場合には特にそうだ」

この分析によると、投資家たちは「ニーズと目標を理解するために時間を割くというアドバイザーの意欲」と、「分析内容の明確な説明」を金融アドバイザーに必要な2つの資質であると考えている。

さらに、ロボプラットフォームではできないことはたくさんある。

グラント・イースターブルック(Grant Easterbrook)氏は、2011年からロボアドバイス業界で仕事をしている。フィンテック企業「Dream Forward」を立ち上げた27歳の彼は、富裕層の財産計画や他の複雑な財務目標管理のような分野には人間の力がまだ必要だとBusiness Insiderに語った。

「この業界の未来が、ロボットだけになることはない」と彼は述べた。

将来の姿がロボットだけでないなら、一体何か? サイボーグだ。

サイボーグ、またはハイブリッドモデル

ベンジャミン・プリング(Benjamin Pring)氏は、近日出版予定の書籍『When Machines Do Everything』の共著者。 彼はBusiness Insiderに人間の金融アドバイザーは「十分」だと語った。

「この業界では、人間に未来はないというのがわたしの変わらぬ見解だ」とプリング氏は述べた。だから、「ハイブリッドはただの流行」と彼は主張する。

いわゆるサイボーグ、つまりハイブリッドモデルは、人的要素と、アルゴリズムをベースにした金融プランニングを組み合わせた金融アドバイスプラットフォームのこと。つまりは、人間の顔とロボットの中身が組み合わさった金融アドバイスだ。モルガン・スタンレーは、ハイブリッド企業は成長し、成功する確率がもっとも高いとしている。

ロボアドバイスの代表的な企業「Betterment」は、最近、この流れに応えた。 1月31日、同社は人間による支援とコンピュータ化された金融アドバイスを組み合わせた新しいハイブリッドサービスを発表した。Bettermentの金融アドバイスおよび投資担当副社長 アレックス・ベンケ(Alex Benke)氏は、金融サービス業界は変化しており、この動きは顧客の要望に対応したものだとBusiness Insiderに語った。

「我々が、過去5年間以上のアドバイス提供から学んだことがあるとすれば、人はみなそれぞれ違うということだ。大当たりする提案はない」

「わたしが最初にここで働き始めた時は、アドバイザーを雇うなんて個人的には考えられなかった。しかし、金融アドバイスの環境は急速に変化しており、これは我々が取り組むべきことだと気づいた」とベンケ氏は付け加えた。

Bettermentの新しいサービスで、クライアントはこれまでのデジタルプランに加え、2つの新しいヒューマンプラン「ベターメント・プラス(Betterment Plus)」と「ベターメント・プレミアム(Betterment Premium)を選べるようになった。。後者のプランではクライアントは無制限に人間からアドバイスを受けることができる。ヒューマンプランを選ぶと、資産の0.25%に対し、0.15%の年間手数料が追加される。

人間のアドバイザーたちはほっと一息つくかもしれない。 彼らの仕事はまだ奪われていないのだから。

source:Warner Bros.

[原文:This is the future of financial advice

(翻訳:Conyac

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