Hollis Johnson
わたしのボーイフレンドはガジェット好き。そんな彼がGoogle Glassを着用して初めて街を歩いた時、わたしが一番よく覚えているのは人の視線だ。電車に乗る人や歩道を歩く人たちは、そのメガネ状の頭装着型ディスプレイを横目で怪しんで見ていた。
そういうわけで、メッセージ自動消滅系アプリのスタートアップ「Snapchat」(社名:Snap Inc.)が見たものを記録できる「Spectacles」を初公開した時、わたしたちは興奮した。Spectaclesは、Google Glassに比べるとかっこよく、週末の冒険や未来のバケーションでも気兼ねなく着用できる。
先日、わたしたちはSpectaclesを試しに使ってみた。以下がわたしの感想だ。
わたしたちはサンフランシスコのランズ・エンドに出発した。ランズ・エンドは、ゴールデン・ゲート・ブリッジとは反対側にある、風が強くて岩の多い散策路。よく晴れていて、他人がわたしのサングラスに気づくか気になった。
Courtesy of Melia Robinson
見た目は普通のサングラスのように見える。でも、レンズの近くの黄色の円が動かぬ証拠。フレームの上にある録画のボタンを押すと、円が光る。
Hollis Johnson
Spectaclesは、ワンプッシュで10秒間見ているものを録画する。
のどかな海岸線の景色を撮るため、頭の向きを変えてみた。
ビデオに変化を加えるため、前方の景色や、手を通した背の高い緑の葉っぱ、足元でザクザク音をたてる小枝などを撮ってみる。
ボーイフレンドがわたしと木の甘いひと時を撮ってくれた。
使い始めて数分で、人目は気にならなくなった。誰もそれが特別なサングラスだとは気づかないようだったし、気にも留めない様子だった。
Hollis Johnson
SpectaclesはGoogle Glassに比べて遥かに目立たないので、高級デジタルカメラを持ち運ぶ代わりに使ってもいいと思えた。けれども、Spectaclesとデジタルカメラでは、かなり使用用途が異なる。というのも、Spectaclesの画質はデジタル一眼レフに比べて相当劣っており、しかもビデオをプリントしてデスクに飾っておくこともできない。 しかし、Spectaclesは従来のカメラでは撮れないものが撮れる。それは親しみの気持ちだ。
家に帰って、スマホでビデオを再生してみると、10秒間の映像すべてが、実際の瞬間をとらえているように感じた。つくられた笑顔、ポーズなどはない。人生のリアルな一部だった。
古いアルバムをめくると、休暇の時に撮った写真はつまらないことに気づく。どれも静的な場面 —— 目的地のシンボルの前に立っているところや、世界的に有名なピザにかじりついているところなどしか撮っていない。もしそれらの場面をSpectaclesで撮っていたら、と振り返ってみると、ピザのスライスをちぎりながらトロトロに溶けたチーズを見れていたかもしれない。 Spectaclesのビデオは、その瞬間を見せるだけではない —— その瞬間に浸らせてくれるのだ。
Spectaclesを使っていて一番困ったのは、スマホで撮影していい感じに撮れたか確認できるのとは違い、撮ったビデオを観れないことだった。また、画質も悪かった。
カメラ搭載のサングラスでは、それが限界なんだろう。
Spectaclesの価格は130ドル(約1万4600円)。わたしたちがAmazonで買った中古品は、その2倍の価格だった。なので、ジェットコースターのような激しいアクティビティの時は着用しないつもりだ。
Hollis Johnson
もし、やってみたらすごく面白いビデオが撮れるだろうけど。
[原文:I will never go on vacation without Snap's Spectacles, the sunglasses that record what you see]
(翻訳:Wizr)