広がる反ユダヤ主義に懸念、ヒラリー・クリントン氏がトランプ大統領に対応を求める

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反ユダヤ主義的な脅迫や事件が活発化する中、ヒラリー・クリントン氏はトランプ大統領に対して、解決への取り組みを促した。

「みんなで声を上げなければいけない。大統領から始めよう」

20日火曜日(現地時間)午前のツイートで、元民主党大統領候補ヒラリー・クリントン氏は、最近急増しているユダヤ人墓地での墓石破損行為やユダヤ人センターへの爆破予告を指摘。「誰もが」「特に大統領から」この件について議論を始めるべきだと述べた。

トランプ大統領は反ユダヤ主義に対して曖昧な態度を取り続けていたが、同日午後に行われたMSNBCのインタビューで「(反ユダヤ主義に関してアメリカ国内で)問題が起きていること」を認めた。

「反ユダヤ主義はひどい。ただし、これはやがて止まる。止まらなければならない」と大統領は述べた。

ユダヤ系のコミュニティ・センターや墓地への冒瀆行為、オンラインでの(ユダヤ人コミュニティへの)攻撃は深刻な問題です。止めなければいけません。みなさん、声を上げるべきです。まずは大統領から始めるべきではありませんか。

ニュースでの発言がヒラリー氏のツイートを受けたものかどうかは不明だが、少なくともトランプ大統領は以前、この件に一切触れたがらなかった。先週の記者会見で反ユダヤ主義的な事件に対する取り組みを問われた際には、質問を行った記者を激しく非難して「座れ」と指示。そういった質問は「フェアではない」と述べた。

昨年11月にも大統領は選挙戦での勝利を振り返る中で、「わたしは反ユダヤ主義や人種差別主義からもっともかけ離れた人間だ」と述べている。

「事実、他の共和党員候補者に比べれば我々はかなりうまくやった。静かに、静かに、静かに」と述べ、先週の記者会見の記者をまた槍玉に上げた。 「明快でシンプルな質問をすると言ったのに、彼はまた嘘をついた。これがそうだ。メディアの世界へようこそ。でも1つ言わせてもらおう。わたしはそういう行為が嫌いだ。不愉快だ。そうした質問も嫌いだ」

人種差別問題に関してホワイトハウスはいまだ“灰色”のままだ。

アメリカの政治評論家たちはスティーブ・バノン首席戦略官の経歴(反ユダヤ的な思想を持つ極右的な思想傾向のニュースサイト「ブライトバート(Breitbart)」の元会長)を問題視している。また、ホワイトハウスは先月発表した「国際ホロコースト記念日」に関する公式プレスリリースで、ユダヤ人に言及しなかったことを擁護する声明を出している

[原文:Hillary Clinton urges Trump to address anti-Semitic threats: 'Everyone must speak out, starting with' him

(翻訳:日山加奈子)

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